日経平均株価の動き(2016年06月03日)

5月末(G7)伊勢志摩サミットは無事終わり、オバマ大統領の広島訪問で幕を閉じた。オバマ大統領の演説は歴史に残るメッセージとなりました。サミット後、安倍首相はリーマン級経済危機を理由に消費増税の延期を表明しました。今週から6月相場入りし、いよいよ参院選挙準備に突入する。消費増税延期は選挙対策の一つであるが、為替は円高に振れた。参院選に向け相場はどう動くか。

日銀が金融緩和から景気を良くし、円安に誘導することで、日本へ仕事を回帰させ、個人所得を増やし、成長率2%目標とする。そう唱えてきたのが「アベノミクス」であったが、為替は125円→110円まで円高に逆戻りし、円安誘導→成長率2%目標は不可能となったが、新卒者就職率は97%まで上がり、有効求人倍率は24年前の高水準まで回復しています。中国経済がコケてしまった事が大きかったか。

民(主)進党がアベノミクスを批判しても、対案もなく批判だけなら合体しても体質は変わらない。経済政策ダメ、外交ダメで支持は得られるのか。また参院選も経済政策なし、外交政策なし、アベノミクス批判だけで、野党選挙協力は支持されるか。野党に勝ち目がなければ、与党の選挙マニフェスト、経済政策の評価で株価が動く可能性は少し残されました。

2017年3月期業績予想は出揃った。サミットと絡んで、5月は17234円・前月比+568円高で引けました。月足では6ヶ月移動平均線まで達して引けたが、6月入りから売られました。やはり30年平均線(16850円)、6ヶ月移動平均線(17100円)まで戻したところで売られました。6月入りから6ヶ月移動平均線は16800円まで下がりました。

6月入りし、30年平均線(16850円)を6ヶ月移動平均線(上値抵抗線・16800円)が下回った事で上値抵抗線は下がっています。6ヶ月移動平均線価格が下がれば、上値抵抗線は下がります。株価は上値抵抗線を上回れなければ売られますし、上値は下がってきます。6月SQから選挙公示前(20日ころ)までに下げ止まる様にも感じられます。

日足チャートでは、75日移動平均線(16500円)が下値支持線になっています。75日移動平均線を上回っている間は大きく下げないが、チャート的に75日移動平均線(16500円)を下回ると崩れに転じてしまいます。いったん株価が75日移動平均線を下回ると、次は75日移動平均線が上値抵抗線となり、戻り売りに転じます。来週は75日移動平均線を下回るか、維持できるか。底割れるか維持するか。SQに向けて観察です。

75日移動平均線(16500円)を下回ると、次は4月安値15400円→次は2月安値14800円を意識する展開へ移ります。来週はSQ週です。6月SQに向け、75日移動平均線(16500円)をキープできるかどうか。このあたりが下ブレが大きくなるかどうか。小動きを維持するかを見るポイントです。

東証1部銘柄で6ヶ月移動平均線を上回る銘柄数は、3月末477(225種32)銘柄→4月末482銘柄(225種49)→5月末881銘柄(225種101)と800銘柄以上に増加して引けました。6月から売られて始まり、6月(2日)817銘柄(225種83)と少し減少に転じました。5月末が800銘柄に達し、6ヶ月移動平均線を下回っているので戻り高値形成となり、しばらく戻り売られる様に見えます。

6ヶ月移動平均線を上回る銘柄数は、東証1部で800銘柄以上に増加しなければ上昇基調に転じたと判断しません。5月末はサミットなど特殊要因が重なり、ダマシとなりました。6月末に800銘柄以上で引けて、日経平均が6ヶ月移動平均線を上回れば上昇転換です。下回る状態は弱いと言えます。引き続き、6月相場の観察ポイントです。

東証1部銘柄数では、主力株の新日鐵、日立、パナソニック、トヨタ、キャノンなど75日移動平均線を下回っていますが、5月末に6ヶ月移動平均線を上回る銘柄数は800銘柄以上に増加して引けました。主力株が弱いのに、日経平均が強くなる訳がありません。主力株は調整中なので、新興市場の好業績株、一部銘柄でも内需小型好業績株にシフトしてきました。

225種主力株の上値が重い状態では、小型好業績株、新興市場の成長株、材料株などの個別物色相場は、もうしばらく続くと見ています。東証1部銘柄にシフトが始まる時は全体が底入れする時でしょう。マザース指数も売られているので、新興市場でも買われ過ぎて株価位置が高い株は売られるので、高値警戒は同じです。6月SQに向け売られるか、下げ止まるか。好業績株、復興関連銘柄など、引き続きどの様な株が動くか注目です。

<NYダウ 日足チャート>

大統領選挙の年はNYダウは下げないジンクスの通りか。今晩の米国経済指標の発表後、どう動くか。NYダウは4月に18000ドルに乗せた後、上値を切り下げてきていたが、5月末17787ドル前月比+14ドル高で引けました。6月も、6ヶ月移動平均線を上回る上昇基調で始まりました。6月相場は6ヶ月移動平均線をキープ出来るか。日足チャートでは75日移動平均線を上回る上昇基調です。25日から75日移動平均線を上回る状態を維持できるか。

日足チャートでは、75日移動平均線は上向き、200日移動平均線を上回る上昇パターンです。75日移動平均線は上向きで、株価は25日移動平均線を上回っている上昇基調です。25日移動平均線を上回る状態は上昇基調は続きます。25日移動平均線を下回らなければ高値更新期待です。

月足チャートでは、6月も6ヶ月移動平均線を上回る上昇基調でスタートしました。6月中は6ヶ月移動平均線を上回っていれば上昇相場は維持されています。6ヶ月移動平均線を上回る状態で、日足チャートで75日移動平均線を下回らなければ上昇基調は続くと判断されます。6月も上昇相場維持できるか観察です。

NYダウ 日足チャート

<ドル円 日足チャート>

5月のドル円相場は、サミットと絡んで月末に111円まで円安に戻しました。チャートでは25日移動平均線を上回る状態を維持していました。75日移動平均線(上値抵抗線)が111円でした。75日移動平均線を突破する円安には戻せず、25日移動平均線を下回る円高に逆戻りしてしまった。

6月は25日移動平均線を下回ったので、円高に向かう動きに転じました。また25日移動平均線を上回ってくれば円安に戻す可能性はあります。25日移動平均線(109円)と75日移動平均線(111円)が接近しており、75日移動平均線まで上回らないと円安に戻しそうにありません。

日足チャートの状態は、200日移動平均線は下向き、75日移動平均線で円高に戻り、25日移動平均線を下回ったことで円高方向を示しています。25日移動平均線を下回る状態は円高に動きそうです。再度25日移動平均線を上回れば円安に戻します。このあたりが6月の観察ポイントです。

ドル円 日足チャート

<日経平均 月足チャート>

5月末17234円・前月比+568円高で引けました。今週から6月入り、たった2日で5月の上げ幅は消し去り、-600円以上も売られました。5月の月足チャートは30年平均線(16900円)、6ヶ月移動平均線(17100円)を上値抵抗線に意識したところでした。30年平均線(16900円)から6ヶ月移動平均線(17100円)を上回ったところで5月末を終えたが、上値抵抗線は重く、6月から売られた形です。

6月入りから6ヶ月移動平均線(16800円)は30年平均線(16850円)を下回り、Dクロスしてきました。6ヶ月移動平均線が30年平均線を下回った事で、上値抵抗線は下がり、株価の上値メドも下がり、売られた動きです。6月は6ヶ月移動平均線(16800円)を上回れなければ戻り売り相場は続きます。

6月は6ヶ月移動平均線を上回れなければ、30年平均線も上回れません。上値に2つの上値抵抗線が重石になっています。引き続き、6ヶ月移動平均線(16800円)、30年平均線(16850円)を上回れなければ売られそうです。売られた場合、4月安値15400円、次は2月安値14800円を意識する下値メドになります。60ヶ月移動平均線(14100円)が下値メドになります。6月の観察ポイントです。

日経平均 月足チャート

<日経平均 裁定買い残動向 週足チャート>

今月は「507」裁定買い残の減少傾向は続いています。5月は13億株まで減ったまま増えません。次は6月SQに向けて大幅減少したら、いったん下げ止まる可能性はあります。裁定買い残がボトムを付ければ、その後は増加傾向に転ずると見ることは出来ます。ETFにシフトしてきたので、その様な連動性が出てくるか。6月SQ以降の観察ポイントです。

今年は、日銀による年間3.3兆円のETF(225種)買いから、225種株=先物の裁定取引から、225種ETF=先物の組み合わせに資金シフトしている様です。それでも6月SQはメジャーSQですから、多少の増減の傾向は表れると見ています。このあたりも6月SQ以降、どう動くか観察するところです。

日経平均 裁定買い残動向 週足チャート

<日経平均 評価損率 週足チャート>

6月入りからの下落を見れば、4月から5月の「610」評価損率(5/13)-8%から-10%の水準が戻り高値であった事がわかります。(5/20)-11%→5月(27)-11%の水準を維持したが、-10%前後は高値ゾーンと言えます。今週の下落を見れば高値圏であった事がわかります。-10%から-5%の範囲は戻り売りゾーンです。

株価の下げ止まりは、追い証が発生する-15%以下から-20%くらいまで悪化しないと底入れしない傾向があります。6月は-15%から-20%まで悪化したら、短期的に底値ゾーンの買い場に達したと見て良いと思います。評価損率は、-15%から-20%の範囲に悪化したら売られ過ぎボトムゾーンです。引き続き、6月SQに向け観察ポイントです。

日経平均 評価損率 週足チャート

<東証マザース指数 日足チャート>

「107」東証マザース指数は4月高値をピークに戻りません。6月入りしても25日移動平均線を上値抵抗線に上回れない状態です。しばらく戻り売りパターンになるイメージです。新興市場も2017年業績予想が出た後、株価は戻ってません。材料出尽くし感あり。しばらく高値調整局面は続きそうです。

日足チャートでは、25日移動平均線を上回らないと再上昇相場に戻せません。25日移動平均線は下向きに転じており、上回れず戻り売りが続くと、75日移動平均線まで下がり、押し目形成まで日柄がかかる可能性はあります。75日移動平均線を下回ると下降転換してしまいます。しばらく75日移動平均線と25日移動平均線の2線幅で調整相場となりそうです。

東証マザース指数 日足チャート

<日経平均 日足チャート>

サミットは終わり、お化粧買いで買い支えの必要がなくなったとたん売られました。前週は25日移動平均線を上回り、5月末を17200円台で引けたが、6月入りから売られ、25日移動平均線を下回りました。日足標準条件NO9・18.22RCIでは、18日RCIは80ポイントから売り転換してきました。18日RCIと22日RCIは、Dクロスしてきたので売りパターンです。-50%以下まで下げ余地ありと見ます。

チャート的に75日移動平均線(16600円)まで下げてきました。下回ると底割れの動き。75日移動平均線(16600円)を下回ると下値支持線から上値抵抗線に逆転します。そうなれば75日移動平均線を上回れなければ戻り売り相場に転じてしまいます。75日移動平均線を下回る戻り売りから下げ余地を探る動きに向かいます。今日は何とか75日移動平均線を維持しました。

日足標準条件NO9・18.22RCIは、18日RCIは60ポイントから売り転換してきました。18日RCIは22日RCIとDクロスしてきたので、これから調整局面に向かうと見ることができます。-50%以下に下げるまで下げは続く様に見えます。75日移動平均線を挟んで上下どちらに放れるか。6月SQに向けた観察ポイントです。

日経平均 日足チャート

広島訪問したオバマ大統領の素晴らしい演説に敬意。これからの政策は全て選挙対策。日本の選挙が終わると次は米国大統領選。大統領選挙の年は株は下がらないか。中国バブルは弾けるか。円高に動くか。どう動く世界市場。

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