今週も北朝鮮リスクの不安で日経平均は売られました。トランプ政権の混乱を嫌気し、NYダウも売られました。スペインのテロ事件も投資家心理を冷やしたとの事。円高で225先物は売り込まれました。週末はシカゴ先物の下げ幅で大きく下げて始まりました。8月は盛り上がらず下げに転じてしまった。今後、下降相場に向かう可能性は高まりました。
6月から8月まで、日経平均の変動幅(ボラティリティ)は2万円を挟み小幅でしたが、8月に入ってから、北朝鮮リスクやトランプ政権混乱で売られて下げました。この下げの戻りは弱く、上値は重い動きと感じられます。戻りが弱ければ、9月から10月も下げは続く心配はあります。8月下旬から9月始め2万円台に戻せなければ、9月も売られると見て下さい。
前週から続く下落局面で、6ヶ月移動平均線を上回る銘柄数、日足では75日移動平均線を上回る銘柄数は大幅に減少してきました。個別株が売られたことで下降転換の心配は増してきました。8月末に大幅減少して引けたなら、9月は下降転換の心配があります。
東証1部銘柄で、6ヶ月移動平均線を上回る銘柄数は、1370銘柄(8/17)まで減少しました。週末の下げでさらに減ったと思われます。6月末1458銘柄(225種145)→7月末1459銘柄(225種140)→8月(9)1420銘柄(225種130)→8月(17)1372銘柄(225種125)と2週減少している。225種銘柄が半数以下(113)に減少すると下降転換します。
7月(21)の「610」評価損率(-6.42%)をピークに→8月(4)-9.20%→8月(10)-9.94%と8月は評価損率は悪化しています。売られた事を意味します。今週も下げたので、来週発表(8/18)も悪化していると思います。戻らなければ評価損率の数値が悪化するのは、個別株が売られている事を表しています。
評価損率は、-10%から-20%の範囲まで悪化すると売られ過ぎ感が出始めます。7月21日(-6.42%)をピークに戻り売りが止まらなければ、-10%以下から-20%の範囲まで悪化は続くと見ておく必要があります。来週以降の観察ポイントです。
「107」マザーズ市場(240銘柄)は悪化しています。新興市場の悪化が目立ちます。75日移動平均線を上回る銘柄数は、3月末132銘柄→4月末82銘柄→5月末127銘柄→6月末153銘柄→7月末139銘柄まで減少しました。8月(4)100銘柄→8月(10)79銘柄→8月(18)85銘柄と100銘柄以下で推移しています。マザーズ指数の銘柄数が85銘柄まで減った事は、3分の2は下降転換した事を意味します。来週以降、切り返せるか。下落相場は続くか。観察ポイントです。
「105」JASDAQ市場(752銘柄)も悪化しています。新興市場から売られている事が分かります。75日移動平均線を上回る銘柄数は、3月末444銘柄→4月末290銘柄→5月末440銘柄→6月末559銘柄→7月末588銘柄で引けました。8月(4)502銘柄→8月(10)432銘柄→8月(18)415銘柄と約半数まで減少しました。8月末に半数以下なら下降転換は強まります。来週以降の観察ポイントです。
東証2部銘柄(525銘柄)で75日移動平均線を上回る銘柄数は、3月末333銘柄→4月末214銘柄→5月末280銘柄→6月末374銘柄→7月末429銘柄まで増加→8月(4)389銘柄→8月(10)349銘柄→8月(18)331銘柄と同じく、半数近くまで減少が続いています。8月半数以下なら下降転換の心配あり。来週以降の観察ポイントです。
東証1部銘柄(2027銘柄)で75日移動平均線上回る銘柄数は、3月末909銘柄(225種82)→4月末1047銘柄(225種107)→5月末1156銘柄(225種102)→6月末1494銘柄(225種156)→7月末1433銘柄(225種136)と6月から7月がピークとなりました。8月(4)1451銘柄(225種134)→8月(10)1242銘柄(225種104)→8月(18)1032銘柄(225種82)銘柄と約半数まで減少しました。全体的に半数まで減少し、下降転換は強まる数値です。来週以降の観察ポイントです。
<NYダウ 日足チャート>
NYダウの高値更新から、2週続けて陰線(8/17)となりマイナスとなりました。2万2000ドルに乗せましたが、トランプ政権、コーン国家経済会議委員長の辞任観測が浮上し、経済混乱を心配する理由から売られました。昨日(8/17)は陰線で25日移動平均線を下回りました。トランプ政権混乱を理由に、このまま売られると売り転換の心配はあります。まだ75日移動平均線を上回っているので調整に転ずる雰囲気はないが、いつか調整時期は来るでしょう。引き続き、25日移動平均線を上回る状態をキープできるか。
チャート的には、200日移動平均線、75日移動平均線、25日移動平均線は上向き状態の上昇基調を維持してきました。昨日(8/17)は、株価は25日移動平均線まで売られてきました。週足では2週続けての下落となりました。75日移動平均線からカイリ幅が大きい状態であったが、短期調整に向かうか。25日移動平均線をキープできるか。観察ポイントです。
<ドル円 日足チャート>
今週のドル円相場は、108円台から110円台まで円安に動きました。はじめは北朝鮮リスクを意識し109円まで円高に動き、110円まで戻した後、トランプ政権混乱を理由に円買いされました。チャートでは、25日移動平均線は75日移動平均線(111円)を下回る上値抵抗線になりました。10日移動平均線、25日移動平均線が上値抵抗線と下がっている。10日移動平均線を上回れないと円高は続くでしょう。円高は米国の混乱は続くと言う理由か。
目先は10日移動平均線(110円)で戻り売られた状態です。10日移動平均線を上回れなければ、25日から75日移動平均線(111円)を上回れません。先ずは10日移動平均線(110円)を上回れるかどうか。上回れなければ円高に向かいます。来週の観察ポイントです。
<東証マザーズ指数&JASDAQ指数>
<東証マザーズ指数 日足チャート>
もう少しで「107」東証マザーズ指数は25日移動平均線と75日移動平均線はDクロスします。Dクロスし上回れなければ戻り売り相場に向かいます。来週以降、75日移動平均線を上回れなければ戻り売りは強まると見ましょう。観察ポイントです。
<JASDAQ指数 日足チャート>
「105」JASDAQ指数は対照的にシッカリしています。株価は25日移動平均線を上回るまで戻し、また25日移動平均線を上回っている上昇基調です。引き続き、25日移動平均線を維持できれば上昇基調です。下回ると調整局面に向かいそうです。観察ポイントです。
<東証小型株指数&東証中型株指数>
<東証小型株指数 日足チャート>
「124」東証小型株指数はシッカリしているが、上値は伸びていない。25日移動平均線を挟んで上げ下げしてきました。25日移動平均線を下回ると売り転換します。25日移動平均線を上回る状態をキープできれば上昇相場は続くと見ます。観察ポイントです。
<東証中型株指数 日足チャート>
「123」東証中型株指数は25日移動平均線は下回り、75日移動平均線を下回るまで売られました。下降転換の動きが出てきました。25日移動平均線を上回る状態に戻せば上昇基調に戻しますが、75日移動平均線を下回ると下降相場に転換します。このあたりが観察ポイントです。
<評価損率 週足チャート>
「610」評価損率から見ると、-6.42%(7/21)をピークに相場の転換が始まった事が分かります。8月は-9.20%(8/4)→-9.94%(8/10)と悪化しています。今週の下落を見ても、来週発表(8/18)の数値も悪化していると思われます。株価の戻りが弱ければ、評価損率の数値は悪化します。
9月も戻りが弱ければ、評価損率は-15%から-20%まで悪化する可能性はあります。評価損率的には-10%から-20%の範囲まで悪化し、投げ売り出尽くすとボトムゾーンと見ることが出来ます。9月以降-10%以下から投げ売り出尽くし待ち。9月に向けた観察ポイントです。
<日経平均 月足チャート>
2週続けて売られ、月足チャートでは、6ヶ月移動平均線(19500円)まで売られてきました。8月は6ヶ月移動平均線(19500円)を上回る状態を維持していると言えるが弱い状態です。上回る状態は上昇基調は維持していますが、6ヶ月移動平均線を下回ってくると調整局面入りします。9月に向けた観察ポイントです。
8月は陰線で終わると2ヶ月連続陰線となります。6ヶ月移動平均線を上回る状態を維持できるか。また2万円に戻せるか。この様な状態に戻せないと、9月から10月に向けて調整に向かうと考えます。いつ頃から調整に向かうか。今後の観察ポイントです。
<日経平均 日足チャート>
日足チャートでは、25日移動平均線と75日移動平均線はDクロスし、調整局面に転じたと言えます。株価は25日から75日移動平均線を下回って推移していますし、株価は25日から75日移動平均線を上回れないと下降相場は続きます。75日移動平均線を下回った状態のままでは、何れ75日移動平均線は下向きに転じます。75日移動平均線を上回れないなら下落の心配は強まると見てください。観察ポイントです。
チャート的には、25日移動平均線が75日移動平均線を下回ってしまった事は調整局面入りしたと判断します。25日移動平均線は下向きに転じ、次は75日移動平均線が下向きに転ずると下降相場に突入します。株価は2万円相場に戻せるか。75日移動平均線を下回る状態のままか。この点が相場の基調判断の観察ポイントです。
THAADミサイル防衛を買うまで北朝鮮リスクは続くのか。買わないとミサイルは飛んでくるのか。株式市場への影響は続くのか。為替相場は円高強まるか。どう動く世界市場。
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