日経平均株価の動き(2017年09月15日)

今週は国連安保理全員一致で北朝鮮制裁が可決しました。国連決議を受けて、為替は111円までドル高円安が進み、日経平均は週間で+600円以上値上がりしました。また北朝鮮は金曜日の朝6時にミサイルを発射。為替は一気に109円台まで円高に振れたが、また110円に戻しました。米国市場は経済指標が好調な事をうけて円安に動きました。

6月以降、日経平均は北朝鮮問題で上がらなかった訳でなく、主力株の業績低迷から上値が重い動きです。為替は米国経済指標が好調な事から円安に振れた事もありますが、株価が売られた分の買い戻しも含めて戻したと言えます。またミサイルで円高に振れたので、為替の動き、北朝鮮に左右される乱高下の相場がしばらく続きそうです。

今週の戻りでは、日経平均は上値抵抗線に位置する75日移動平均線まで戻しました。まだ上値抵抗線以上は重いと思うので、ここからは伸びにくい様に見えます。為替も同じく、上値抵抗線と見る75日移動平均線(110円)まで戻しました。110円以上の円安の上値も重そうです。円安に動けば、日経平均は上がります。

今週はEU、中国で2040年までにEV(電気自動車)車の比率を上げる環境政策を発表しました。リチューム電池関連、モーター関連、電子部品関連株が値上がりしました。世界的に先進国でEV(電気自動車)車の普及が進むなら、日本の得意とするリチューム電池、モーター、EV車関連は材料先取りし、動く可能性はあります。

これから9月中間決算を迎えます。業績発表によって売られる場合は出てきます。中間決算発表前は、株価の上値は重いように感じます。JASDAQ指数、2部指数は高値更新していますが、日経平均が値上がりに動き出すとしたら、10月中旬以降の中間決算の発表が出ないと動きにくいでしょう。引き続き、小型好業績株、新興市場など高値更新を続けている株は、日経平均に関係なく上昇は続くと見ています。

東証1部銘柄で、6ヶ月移動平均線を上回る銘柄数は、9月入りから減少しましたが、今週は日経平均の反発から全体相場は戻しました。8月末1406銘柄→1158銘柄(9/7)→1315銘柄(9/14)と前週より約150銘柄増加しました。7月末(戻りピーク)1459銘柄(225種140)→8月(末)1406銘柄(225種122)→9月(7)1158(225種99)→9月(14)1315銘柄(225種127)と225種銘柄は過半数以上(113)に戻しました。225種銘柄の増加が、日経平均の値上がりに繋がりました。週末の北朝鮮ミサイルで乱高下したので、来週も戻り売り相場と見ています。9月の観察ポイントです。

9月の「107」マザーズ市場(240銘柄)の回復は鈍いでしょう。75日移動平均線を上回る銘柄数は、3月末132銘柄→4月末82銘柄→5月末127銘柄→6月末153銘柄(ピーク)→7月末139銘柄→8月末92銘柄→9月(1)95銘柄→9月(8)49銘柄→9月(15)66銘柄と前週15銘柄と少し戻しました。マザーズ市場は9月売られていますが、まだリバウンドは弱いと言えます。早めにボトムをつけるか観察です。

9月JASDAQ指数は高値更新相場に戻しました。「105」JASDAQ市場(750銘柄)は、9月始め売られても高値更新相場に戻しています。75日移動平均線を上回る銘柄数は、3月末444銘柄→4月末290銘柄→5月末440銘柄→6月末559銘柄→7月末588銘柄(ピーク)→8月末487銘柄→9月(1)465銘柄→9月(8)338銘柄→9月(15)403銘柄と8月末より80銘柄少ないが、指数は高値更新しています。個別株は売られている株と高値更新の株で分かれています。9月の観察ポイントです。

9月も東証2部指数は、高値更新相場に戻しました。東証2部銘柄(525銘柄)では、75日移動平均線を上回る銘柄数は、3月末333銘柄→4月末214銘柄→5月末280銘柄→6月末374銘柄→7月末429銘柄(ピーク)→8月末367銘柄→9月(1)368銘柄→9月(8)274銘柄→9月(15)331銘柄と約60銘柄戻しました。2部株も値上がりしている株、売られている株に別れています。9月の観察ポイントです。

TOPIX指数は高値まで戻しました。東証1部銘柄(2029銘柄)では、75日移動平均線上回る銘柄数は、3月末909銘柄(225種82)→4月末1047銘柄(225種107)→5月末1156銘柄(225種102)→6月末1494銘柄(225種156)(ピーク)→7月末1433銘柄(225種136))→8月末1244銘柄(225種99)→9月(1)1284銘柄(100)→9月(8)1000(225種82)→9月(15)1267(225種118)と225銘柄は半数を回復しました。225種銘柄の寄与率は高かった。来週も増加は続くか。また減少に転ずるか。9月の観察ポイントです。

<NYダウ 日足チャート>

NYダウは8月の高値を更新しました。25日移動平均線を上回り、再上昇相場に戻した動きです。トランプ大統領は減税法案を中間層にメリットが多くなるよう譲歩しました。米国経済指標が好調である事が市場は買いと判断し、上げた理由としています。米国経済指標が好調だとドル買い円安に動きました。このまま25日移動平均線を上回る状態は、高値更新相場が続くでしょう。

チャート的には、200日移動平均線、75日移動平均線、25日移動平均線は上向きで、株価は25日移動平均線を上回る上昇相場に戻しました。上回る状態は上昇相場が続きます。中間層の減税期待は大きいです。経済指標が好調な事は強みです。しばらく上昇基調は維持しそうです。9月の観察ポイントです。

NYダウ 日足チャート

<ドル円 日足チャート>

7月114円からダラダラ円高は続き、北朝鮮水爆実験で107円台まで進みました。週末は米国経済指標で111円まで円安となったところで、また北朝鮮のミサイルで109円まで円高に戻しました。トランプ大統領の減税法案や経済指標好調から円安は進むか。円高に戻すか。11月にトランプ大統領の訪日予定が発表されました。これで国内は11月訪日まで総選挙はないと言えます。

チャート的には、107円高から75日移動平均線(110円)まで円安に戻しました。75日移動平均線(110円)は上値抵抗線です。これより上は200日移動平均線(112円)が上値抵抗線です。目先は25日移動平均線(109円)を上回っているので、25日移動平均線(109円)を維持している間は、75日移動平均線を上回る可能性を残しています。今後の米国経済指標の発表は注目されるでしょう。25日移動平均線を下回ると円高に逆戻りします。25日移動平均線を維持できるか観察ポイントです。

ドル円 日足チャート

<東証マザーズ指数&JASDAQ指数>

<東証マザーズ指数 日足チャート>

今週の「107」東証マザーズ指数の戻りは鈍いでしょう。200日移動平均線を下回り、また200日移動平均線までしか戻せず売られてしまいました。もう少しで25日移動平均線と200日移動平均線はDクロスしそうです。Dクロス後は、200日移動平均線から上は重くなります。200日移動平均線を上回る回復はいつ頃か。下回る状態は戻り売り相場が続くでしょう。9月の観察ポイントです。

<JASDAQ指数 日足チャート>

「105」JASDAQ指数は、高値更新相場に戻してきました。25日移動平均線で反発した形となり、10日から25日移動平均線を上回る状態から高値更新相場に戻しました。上昇基調の銘柄数は減っても高値更新は続いています。9月の観察ポイントです。

東証マザーズ指数 JASDAQ指数 日足チャート

<東証小型株指数&東証中型株指数>

<東証小型株指数 日足チャート>

「124」東証小型株指数も高値更新相場に戻しています。一気に10日から25日移動平均線を上回る戻りでした。引き続き、25日移動平均線を上回る上昇相場は続くか。下回ると調整に転ずる。9月の観察ポイントです。

<東証中型株指数 日足チャート>

「123」東証中型株指数も高値更新相場に戻しました。75日移動平均線を下回ったが、また25日移動平均線を上回る上昇相場に戻しました。強い動きと感じられます。引き続き、25日移動平均線を上回る状態は高値更新相場が続くでしょう。下回ると調整局面に転じます。9月の観察ポイントです。

東証小型株指数&東証中型株指数

<評価損率 週足チャート>

「610」評価損率から見た相場は荒れています。7月-6.42%(7/21)をピークにして、8月の評価損率は、-9.20%(8/4)→-9.94%(8/10)→-9.05%(8/18)→8.95%(8/25)→-8.38%(9/1)→-11.0%と悪化しました。北朝鮮ミサイル、水爆実験など悪化原因でしたが、国連安保理決議全会一致で反発に転じました。評価損率が-11%まで悪化していた事も戻りやすかった様に思われます。

今週の戻りから、来週発表の数値は少し改善したと思われます。前週-11%まで悪化したが、10月に向けて評価損率は-15%前後まで悪化したらボトムゾーンとなりそうです。評価損率が-10%から-20%の範囲で悪化する時は、投げ売りが出た時です。評価損から見るとまだ底入れではない。また13週移動平均線を上回ったとは言えず、まだ戻り売りで引けました。9月の観察ポイントです。

評価損率 週足チャート

<日経平均 月足チャート>

月足チャートでは、8月は-279円安(19646円)で引けました。今週は反発し、プラスに転じました。6ヶ月移動平均線(19700円)を上回るまで戻しました。下回ると調整局面に転じますが、再度上回ったので上昇相場に戻した状態と言えます。引き続き、6ヶ月移動平均線を上回る状態は維持できるか。

6ヶ月移動平均線を上回った事で、下値はシッカリしている強い動きと言えます。下値は日銀が買い支えていると言われているが、下がる心配は小さいと感じられました。引き続き、9月から10月は6ヶ月移動平均線(19700円)を上回る状態を維持できるか、下回った場合は買い場となりそうです。9月の観察ポイントです。

日経平均 月足チャート

<日経平均 日足チャート>

日足チャートでは、25日移動平均線(上値抵抗線)を下回って推移してきたが、今週は75日移動平均線(19870円)まで反発し、戻してきました。25日移動平均線は75日移動平均線を下回った状態で、75日移動平均線は下向きの状態です。まだ戻り売りパターンの状態は変わってません。この状態で75日移動平均線を上回ってくれば上昇相場に戻します。

75日移動平均線を上回れないと、再度戻り売り相場に戻してしまいます。75日移動平均線を上回れるか、上回れないかで、9月相場の方向性が分かります。9月中間決算発表前では、まだ上値は重いように感じられます。75日移動平均線を上回れなければ、ボックス相場が続くか、再度200日移動平均線を下回る動きに転じてしまうか。

チャート的には、200日移動平均線を上回り、25日移動平均線を上回った事で、調整局面から戻した動きは強い動きと言えます。しばらく200日から75日移動平均線(上値抵抗線)でボックス相場か、200日移動平均線を下回る戻り売り相場か。9月の観察ポイントです。

日経平均 日足チャート

北朝鮮水爆実験成功。ミサイル実験は強行。北朝鮮は米国と対話するのか。米国経済指標好調いつまで続く。株式市場への影響いつまで続く。NYダウの上昇いつまで続く。どう動く世界市場。

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