日経平均株価の動き(2021年06月18日)

今週はイギリスでG7首脳会談が行われました。G7一致で中国包囲網が承諾されました。G7中に株価は約29500円まで買われましたが、戻り売り場となり、また29000円を割り込んできました。16日FOMCは、23年に0金利政策を解除する方針を発表しましたが、プロは予定通りの発表と見ています。プロの狼狽売りがなければ暴落しないでしょう。

中国包囲網は、中国進出企業にとって今後大きなリスクになるのか。逆に半導体など、先端産業の国内回帰は好材料となるか。今後の相場材料と言えそうです。リスク回避から中国依存度の高い企業の投信比率は上がるか。下がるか。中国依存度の高い株は、今後の運用担当者(プロ)の行動で決まるでしょう。下がる動きはプロが売っています。

現在の株式市場は、昨年3月1万6000円の暴落後、その後ほぼ一本調子で値上がりしてきました。今年2月以降の高値圏の信用買い残の増加から、需給が悪化しています。この需給が改善しないから上値の重い状況が続いています。この需給改善には上放れる強い好材料が出るか、株価が下落して信用買い残整理が進む値幅整理か、信用期日明けまで待つ日柄整理しかありません。

個別株では、6ヶ月移動平均線を上回る銘柄数の増減から、市場の繁閑度を見てきました。5月の大幅下落から銘柄数の増加は続き、戻り基調が見られましたが、29000円を付けた事で目先達成感が出た可能性もあります。銘柄数の増加は市場が回復傾向である事を示し、減少傾向は戻り売りを示すものです。銘柄数の増加から、日経平均は75日移動平均線を上回るまで回復しました。銘柄数の増加と一致した動きと言えますが、来週以降の増減で傾向が変わります。

来週も6ヶ月移動平均線を上回る銘柄数の増加が続くなら、日経平均は75日移動平均線を上回ってくると考えます。銘柄数が減る様なら、75日移動平均線前後で伸び悩むか、75日移動平均線を下回る状態が続くと言えます。75日移動平均線前後で推移が続くなら、信用買い残の需給整理には日柄がかかる事を意味します。

75日移動平均線を上回って推移が続くなら、相場は回復に向かっていると言えます。75日移動平均線を上回れず、上値を切り下げてくなら値幅整理に向かう動きと見ます。どちらの動きに向かうか、今後の動きを見ながら判断していかなければなりません。そうこうしている間にオリンピックを迎える事になります。オリンピックが終われば日柄整理は進んでいます。

個別株は、自動車の半導体不足がニュースで聞かれる様に、半導体生産が間に合わないほど、車の回復はプロの予想に追いつかない程だと言えます。トヨタ、ホンダ、マツダ、いすゞなど、半導体が不足するほど受注が回復しています。トヨタの受注残は右肩上がりの株価が示しています。次は自動車関連株にも広がってくると見ていますが、中国の販売台数のリスクで売られる心配も残っています。しばらく観察が必要か。

6月3週の東証1部銘柄(2206銘柄)の6ヶ月移動平均線上回る銘柄数は伸び悩む。2020年10月末1011銘柄(225種82)→11月末1382銘柄(225種161)→12月末1441銘柄(225種180)→2021年1月末1407銘柄(225種195)→2月末1470銘柄(225種206)→3月末1760銘柄(225種207)→4月末1352銘柄(225種171)→5月末1094銘柄(225種156)→6月(3)1224銘柄(225種159)→6月(10)1268銘柄(225種158)→6月(17)1226銘柄(225種149)は伸び悩む。上昇相場は維持しているが買い疲れしている。増加は続くか。6月の観察ポイントです。

東証1部銘柄

225銘柄

6月3週の「107」マザーズ市場(357銘柄)で75日移動平均線上回る銘柄数は横ばいです。2020年10月末126銘柄→11月末111銘柄→12月末69銘柄→2021年1月末120銘柄→2月末153銘柄→3月末185銘柄→4月末108銘柄→5月末114銘柄→6月(4)109銘柄→6月(11)129銘柄→6月(18)122銘柄と横ばいです。回復は続くか。6月の観察ポイントです。

マザーズ銘柄

6月3週の「105」JASDAQ市場(700銘柄)の75日移動平均線を上回る銘柄数も横ばいです。2020年10月末277銘柄→11月末324銘柄→12月末328銘柄→2021年1月末424銘柄→2月末452銘柄→3月末467銘柄→4月末307銘柄→5月末305銘柄→6月(4)311銘柄→6月(11)350銘柄→6月(18)324銘柄と横ばいです。回復は続くか。6月の観察ポイントです。

JASDAQ銘柄

6月3週の東証2部銘柄(472銘柄)の75日移動平均線を上回る銘柄数も横ばいです。2020年10月末228銘柄→11月末249銘柄→12月末241銘柄→2021年1月末298銘柄→2月末334銘柄→3月末342銘柄→4月末249銘柄→5月末202銘柄→6月(4)227銘柄→6月(11)250銘柄→6月(18)226銘柄と横ばいです。回復は続くか。6月の観察ポイントです。

東証2部銘柄

6月3週の東証1部銘柄(2206銘柄)の75日移動平均線上回る銘柄数は伸び悩む。2020年10月末809銘柄(225種56)→11月末1136銘柄(225種136)→12月末1172銘柄(225種176)→2021年1月末1302銘柄(225種177)→2月末1342銘柄(225種194)→3月末1562銘柄(225種184)→4月末799銘柄(225種105)→5月末717銘柄(225種110)→6月(4)923銘柄(225種127)→6月(11)943銘柄(225種121)→6月(18)865銘柄(225種100)と伸び悩む。増加に戻せるか。6月の観察ポイントです。

東証1部銘柄

225銘柄

<801NYダウ 803NASADAQ指数 日足チャート>

久しぶりに「801」NYダウは25日移動平均線を下回り、75日移動平均線まで下げる調整局面となりました。75日移動平均線を下回らなければ、上昇相場は維持するでしょう。10日から25日移動平均線を上回る状態に戻せば、高値更新相場に戻すと言えます。チャート的に、下から200日移動平均線、75日移動平均線、25日移動平均線の順に上昇基調を維持しています。75日移動平均線を下回る調整局面に転ずるか。6月の観察ポイントです。

「803」NASDAQ指数は、今年4月高値に迫る戻りです。4月高値を上回る高値更新相場に向かうか、4月高値を上回れず下げに転ずるか。下げに転ずると三尊高値形成の可能性が出てきます。10日から25日移動平均線を上回る状態を維持できれば、上昇基調を維持し、高値更新相場に向かいます。10日から25日移動平均線を下回った場合、短期調整局面に転ずる動きとなります。6月の観察ポイントです。

NYダウ NASADAQ指数 日足チャート

<850ドル円 日足チャート>日足標準条件NO11・75日カイリ率+75日ボリンジャーバンド

ドル円相場は、今年3月の110円に迫る円安に動きました。FRBの0金利解除が材料になったようです。日足チャートでは、75日ボリンジャーバンド+1Σを上回る円安で推移しています。ボリンジャーバンド先端が縮小してるいので、まだボックス相場は抜け出せそうにありません。75日ボリンジャーバンド先端が拡大し、+1Σを上回って推移するなら、円安基調に動きます。

今週は75日ボリンジャーバンド+2Σまで円安に動きました。先々米国金利が上がるのなら、今のうちからドルを買っておけ。と円安に向かう可能性はあります。10日から25日移動平均線を下値支持線に推移が続くなら、円安方向で推移していると言えます。目先は、10日から25日移動平均線に沿った円安での推移は続くか。6月の観察ポイントです。

ドル円 日足チャート

<105JASDAQ指数&107東証マザーズ指数>日足標準条件NO11・75日カイリ率

<JASDAQ指数 日足チャート>

「105」JASDAQ指数は回復し、上値更新相場に戻してきました。10日から25日移動平均線を上回る上昇基調に戻し、今年4月の高値を上回ってきました。10日から25日移動平均線を上回る状態は、上昇基調に戻し、上値更新相場に戻したと言えます。10日から25日移動平均線を上回る状態は、上値更新期待は続きます。下回れば売り転換です。6月の観察ポイントです。

<東証マザーズ指数 日足チャート>

「107」マザーズ指数は200日移動平均線まで戻してきましたが、200日移動平均線を上回れず売られました。200日移動平均線を上回ってくれば、上昇相場に戻す動きと判断できます。200日移動平均線を上回れないと戻り売り相場と判断されます。200日移動平均線(上値抵抗線)を上回れるか。6月の観察ポイントです。

JASDAQ指数&東証マザーズ指数 日足チャート

<日経平均 610評価損率・週足チャート>

今週も「610」評価損率の高止まりは続いています。評価損率が高止まりしている事が、日経平均の動きに表れています。少し日経平均が戻れば売られています。高値で信用買い残が残り、評価損率が高止まりしているからです。株価が上がれば利食われ、上値は伸び悩みます。今週(6/11)発表の評価損率は-7.90%とさらに改善しました。評価損率からみる株式市場は、引き続き、上値が重い状態が続くと見ています。

これから緊急事態宣言は解除され、オリンピックは開催に向けて動きます。オリンピック期待の銘柄は買われるかもしれませんが、日経平均で見る上値は重い状況は続くため、個別株物色はされても、日経平均への影響は小さいと見ています。週足チャートでは13週移動平均線(上値抵抗線)を上回れるか。13週移動平均線を下回る状況では、様子見相場は続くと見なければなりません。6月の観察ポイントです。

日経平均 610評価損率・週足チャート

<日経平均 月足チャート>標準条件NO1(月足基本チャート)

6月の月足チャートの状態は、6ヶ月移動平均線(28750円)を上回っています。月足チャートでは、6ヶ月移動平均線を上回る状態は、上昇基調を維持しています。3ヶ月連続陰線のあと6月は陽線に戻せるか。または4ヶ月連続陰線となるか。6ヶ月移動平均線(28750円)を上回る状態を維持なら、強い状態を維持していると言えます。再度6ヶ月移動平均線を下回ると売り転換の心配があります。

6ヶ月移動平均線を下回らなければ、上昇相場は維持され、個別物色相場は続きます。上値の重い動きが続けば、値幅調整から買い場を待ちたいと考えます。7月に向けて6ヶ月移動平均線(下値支持線)を下回れば、12ヶ月移動平均線(26500円)に向けた調整局面に向かう心配があります。6月の観察ポイントです。

日経平均 月足チャート

<日経平均 日足チャート>日足標準条件NO11・75日カイリ率

今週はG7の後、日足チャートでは、75日移動平均線(上値抵抗線)を上回りましたが、また75日移動平均線を下回ってきました。上値が重い状態を表す動きです。25日移動平均線を上回っていますが、下回る売られ方をしたら、投げ売りが増加した事を表します。売られたら信用買い残の整理は進みます。

現状は信用評価損率の高止まり状態です。75日移動平均線を上回って推移できるか。25日移動平均線を下回る調整局面となるか。75日移動平均線を上回る上昇基調に戻せるか。どれも需給整理が進まなければ判断できない事です。75日移動平均線を上回る上昇はいつごろか。6月の観察ポイントです。

日経平均 日足チャート

G7中国包囲網はプラスに動くか、警戒に動くか。7月オリンピック開催の準備は進むか。米国0金利解除で為替は円安にシフトするか。世界はどう動く。

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