日経平均株価の動き(2021年10月08日)

前週より、日経平均は大幅に売られました。8月からの上昇分を消し去りました。はじめ何を理由に売られているのか分からなかった。石炭高騰から、中国の電力不足が深刻となり、中国全土の工場の操業が停止している事が理由とわかりました。この問題をゴールドマンサックス証券が深刻に受け止めたレポートを出した事が、売りの理由でした。

中国の電力不足から工場の操業が停止されると、世界の工場と言われてきただけに部品や部材などの不足が発生し、日本企業のサプライチェーンが動かなくなってしまう。電力の回復にはかなりの時間を要すようです。このまま不足が続くなら、年末まで不安定な株価になるのか心配が残ります。早期の回復を望みます。今後のニュースに注目です。

また、インドでも電力不足が心配され始めました。石炭の高騰に石油価格の上昇が電力不足に繋がる構図は、世界的な共通点になっています。部品供給が止まる事は、車や家電生産などに支障が出ます。これをキッカケに国内回避するにも、短期的に解決できるのかどうか、今後のニュースから情報を得るしかありません。

株価的に、今週は10月SQ週でした。外資系証券は、SQ週に向けて株価を乱高下させることに長けています。10月SQに向けて、大幅安に持ち込んだ可能性も否定できません。当面の日経平均は2万7000円は維持するだろうと見ていたところ、SQから切り返してきました。SQに向けた売り込みの可能性もありました。10月から中間決算の発表を控えている事も、業績内容と今後の業績予想を見てからでないと、個別株の上昇の判断は難しくなったと言えます。

岸田新内閣がスタートしました。首相表明の経済政策「新しい日本型資本主義」「分厚い中間層の構築」「令和版所得倍増計画」を言ったものの中身は明らかにしてません。詳しい中身を話してくれなければ、評価しようがありません。安倍首相のアベノミクスは内容が明確でした。首相になったら実行すると練っていました。岸田首相は中身を言わないから、首相になる決意はあったのかどうか分からないと感じられました。

10月末の衆院選の結果で政策が変わる事はありませんが、連立が増えるようなら、連立の政策も実行しなければなりません。連立になった方が良い点もあるかもしれませんが、大幅に議員数を減らすようなら、岸田内閣は短命で終わる心配は残ります。大胆な経済対策、経済政策の早期発表をお願いしたい。

10月から緊急事態宣言は解かれ、久しぶりに居酒屋、カラオケが営業を始めました。何となく正常に戻りつつある雰囲気が出てきました。それでも年末に向けて、また増加に転ずるのではないかと言う心配も拭えません。営業再開から業績回復の見通しが立つ様なら、株価の回復に繋がります。

個別株は中国電力不足のサプライチェーンに関係するところは、いったん売られました。その後、回復できるかどうかは部品、部材供給の目途が経ってから動き出すと見ています。売られ過ぎた銘柄は先買いが注目されます。中国の電力不足の影響を受けない国内サービス銘柄で上昇基調の銘柄は注目されます。

10月2週の東証1部銘柄(2197銘柄)の6ヶ月移動平均線上回る銘柄数は、10月は一変して大幅減少した。2021年1月末1407銘柄(225種195)→2月末1470銘柄(225種206)→3月末1760銘柄(225種207)→4月末1352銘柄(225種171)→5月末1094銘柄(225種156)→6月末1224銘柄(225種159)→7月末941銘柄(225種69)→8月末1072銘柄(225種92)→9月末1412銘柄(225種148)→10月(7)883銘柄(225種109)と1000銘柄を下回った。調整かリバウンドか。10月の観察ポイントです。

東証1部銘柄

225銘柄

10月2週の「107」マザーズ市場(392銘柄)で75日移動平均線上回る銘柄数は減少に転換した。2021年1月末120銘柄→2月末153銘柄→3月末185銘柄→4月末108銘柄→5月末114銘柄→6月末109銘柄→7月末81銘柄→8月末125銘柄→9月末136銘柄→10月(1)130銘柄→10月(8)117銘柄と減少した。増加に戻せるか。10月の観察ポイントです。

マザーズ銘柄

10月2週の「105」JASDAQ市場(694銘柄)の75日移動平均線を上回る銘柄数も減少に転ずる。2021年1月末424銘柄→2月末452銘柄→3月末467銘柄→4月末307銘柄→5月末305銘柄→6月末311銘柄→7月末254銘柄→8月末272銘柄→9月末301銘柄→10月(1)268銘柄→10月(8)226銘柄と減少に転ずる。増加に戻せるか。10月の観察ポイントです。

JASDAQ銘柄

10月2週の東証2部銘柄(468銘柄)の75日移動平均線を上回る銘柄数も減少に転ずる。2021年1月末298銘柄→2月末334銘柄→3月末342銘柄→4月末249銘柄→5月末202銘柄→6月末227銘柄→7月末201銘柄→8月末190銘柄→9月末233銘柄→10月(1)215銘柄→10月(8)169銘柄と減少に転ずる。増加に戻せるか。10月の観察ポイントです。

東証2部銘柄

10月2週の東証1部銘柄(2197銘柄)の75日移動平均線上回る銘柄数も大幅減少に転ずる。2021年1月末1302銘柄(225種177)→2月末1342銘柄(225種194)→3月末1562銘柄(225種184)→4月末799銘柄(225種105)→5月末717銘柄(225種110)→6月末923銘柄(225種127)→7月末829銘柄(225種52)→8月末1143銘柄(225種91)→9月末1340銘柄(225種140)→10月(1)1043銘柄(225種110)→10月(8)914(225種109)銘柄と大幅減少する。増加に戻せるか。10月の観察ポイントです。

東証1部銘柄

225銘柄

<801NYダウ 803NASADAQ指数 日足チャート>

米国市場は、中国の恒大集団の暴落、電力不足で売られましたが下げ渋りました。「801」NYダウは75日移動平均線を下回ったところ、3万4500ドルはキープしています。チャート的に、下から200日移動平均線は上向きだが、25日移動平均線は75日移動平均線を下回りました。目先は調整局面となりました。再度、75日移動平均線を上回る上昇転換待ちです。10月の観察ポイントです。

「803」NASDAQ指数も中国の恒大集団の暴落、電力不足で売られたが下げ渋っています。「803」NASDAQ指数も、75日移動平均線を下回ったところ1万4500ポイントをキープしています。チャート的に、下から200日移動平均線は上向きですが、25日移動平均線は75日移動平均線を下回りました。目先は調整局面となりました。再度、75日移動平均線を上回る上昇転換待ちです。10月の観察ポイントです。

NYダウ NASADAQ指数 日足チャート

<850ドル円 日足チャート>日足標準条件NO11・75日カイリ率+75日ボリンジャーバンド

ドル円相場は、75日ボリンジャーバンド+1Σから+3Σの幅で円安で推移しています。中心線は上向きに転じ、25日移動平均線も上向きとなり、中心線を上回りました。円安に動き出したと言えます。さらに円安に動くには、バンド幅が拡大していかなければなりません。当面は中心線から+3Σ幅で推移すると見られるので、110円から112円での推移は続きそうです。

日足チャートでは、75日ボリンジャーバンド(中心線)は上向きで、25日移動平均線も上向きで+1から+3Σの範囲で円安に推移しています。75日ボリンジャーバンドは拡大に動きつつあるので、中心線から+3Σ間で推移すると見る動きです。しばらく円安で推移しそうです。10月の観察ポイントです。

ドル円 日足チャート

<105JASDAQ指数&107東証マザーズ指数>日足標準条件NO11・75日カイリ率

<JASDAQ指数 日足チャート>

「105」JASDAQ指数は日経平均下落を受けて、連動して売られました。200日移動平均線で下げ渋りました。当面の下値目途まで売られたと見ています。ここからはリバウンド期待の動きです。引き続き、200日移動平均線を75日移動平均線が上回り、25日移動平均線が上回っている上昇基調は維持しています。10月の観察ポイントです。

<東証マザーズ指数 日足チャート>

「107」マザーズ指数も売られました。8月の安値は上回っているので、トリプルボトム型底形成になります。当面は5月安値(1040)が下値目途になります。75日から200日移動平均線を下回る状態は、底値固めの調整局面と見ます。10月の観察ポイントです。

JASDAQ指数&東証マザーズ指数 日足チャート

<日経平均 610評価損率・週足チャート>

前週の大幅下落から、評価損率は-9.44%まで悪化しました。今週も大幅下落したので、来週発表の評価損率の数値は悪化している事が連想できます。8月は-12%で大きく値上がりした事から、来週の数値が8月安値前後なら下げ止まりゾーンと判断できます。

週足チャートでは、13週移動平均線(下値支持線)を下回ってきました。再度13週移動平均線を上回ってこなければ上昇基調に戻せません。13週から26週移動平均線を上回る上昇回復待ちですが、上回れなければ戻り売り相場は続くと見なければなりません。評価損率の数値の悪化からボトム接近か。10月の観察ポイントです。

日経平均 610評価損率・週足チャート

<日経平均 月足チャート>標準条件NO1(月足基本チャート)

9月末から中国電力不足からサプライチェーンへの影響が心配され日経平均は大幅下落となった。大幅下落の理由として、日経225採用銘柄の入れ替えの影響も大きい。6861キーエンス 6981村田製作所 7974任天堂が高値で入れ替わった。高値で入れ替わり下落幅を大きくした事が、日経平均の下落幅を大きくした。またソフトバンク、ファーストリテイリングなど中国関連株の下落の影響も大きかった。このあたりの下げ止まりリバウンドから、日経平均のリバウンドは大きくなります。

チャート的には、6ヶ月から12ヶ月移動平均線を上回った状態から大陰線で下回ってきた。この前後で下げ渋るなら切り返す可能性はあります。ただ12ヶ月移動平均線を下回ってくるなら、下げ幅を大きくする心配は残ります。中国電力不足と中間決算を控え、12ヶ月移動平均線前後で下げ渋れば下げ止まりから切り返す動きと見る事が出来ます。10月の観察ポイントです。

日経平均 月足チャート

<日経平均 日足チャート>日足標準条件NO11・75日カイリ率

10月の大幅安は、8月の安値2万7000円を意識しています。9月高値も意識しています。10月の安値も8月安値を意識し、リバウンドに転じたと見ています。ここで下げ渋り、下げ止まりからリバウンドと見ています。来週以降は岸田内閣の新たな経済戦略で買われるか確認したい。失望売りの心配も残ります。チャート的には、200日移動平均線を下回ってしまったので、再度200日移動平均線を上回るリバウンド待ちです。

チャート的に、200日移動平均線を下回る調整局面の下げ止まりから、リバウンド期待のポジションです。10月末までに200日移動平均線を上回れば、下げ止まりと判断できます。また8月安値を上回っている水準も、下げ止まりと判断されます。8月安値を下回ると、下落幅が大きくなる心配は残ります。引き続き、8月安値をキープし、200日移動平均線を上回れるかどうか。10月の観察ポイントです。

日経平均 日足チャート

岸田総理の政策内容の評価は。中国の電力不足は解消されるか。中国大手不動産会社は連鎖倒産か。NYダウは上昇に戻すか。世界はどう動く。

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