目先天井のサインが出ていた
9月号のポイント
業種で堅調なところを探すと、中長期では東京五輪やリニア、短期では景気対策、こう言う話題に事欠かない建設。
そしてドル高のメリットを受けそうな電機+自動車の一部銘柄、こんなところだろうか。
中略
ただ懸念を挙げるとしたら、なんとしても消費者物価2%達成に拘るあまり、円安のデメリットに目をつぶり円安=善、こういうスタンスや政策が偏った場合、相場がねじれてくる可能性がある。円安でも株価が上がらなくなった場合がそうかも知れない。
そういう現象が出てきた場合、恒常化した場合、相場は一段と難しくなるだろう。
その辺は心しておきたい。
この様にポイントを上げました。
そして上記の懸念が9月末に示現、ここが目先天井のサインだったと考えられます。
上記の図を見て下さい。日経平均や一部銘柄の上昇は8/8以降の大幅な円安に連動してるように見えますね。
日経平均・円ドル・富士重 <7270>、いずれも8/8を起点に上昇しています。
次に9月末の天井近辺を見比べてください。
ボトムは8/8で一致していたが天井はバラバラです。ここがミソですね。
もし日経平均はドル円との連動性が強く、円安=株高が続くなら日経平均はドルのピークである10/1まで上昇してもおかしくありませんでした。もちろん富士重 <7270>もです。
しかしドルの天井を待たずに日経平均も富士重 <7270>も下落、ここの見極めが非常に大切だったと思います。
9/30のブログでは、5/21→7/4と8/8→9/29(日経先物) 日柄で33~35日間、上昇率で10%と両者一致。
同日のTOPIXや日経400、もみ合い下抜けなどから短期悪化を念頭に、とやや渋めにコメントを変更しました。
翌10/1のブログでは、上値が重くなってきた??? とのタイトルで書き出しました。
丁度この日はドル円で110円を付けた。にもかかわらず日経平均や富士重 <7270>、直前の高値を更新出来なくなってきました。
また以前のブログで円ドルの目安を108円~110円とした点もありましたので。
以上から一段と弱めのコメントとなりました。
10/6、大きな転換点を迎えます。
前週末の米国雇用統計、内容はマズマズで過去分も改善と上方修正。NYダウは208ドル高で帰ってきました。
当然日本株高も期待されました(日経現物182円高)。が、円ドルは110円を抜けずに陰線(円高)。何となく嫌な雰囲気です。
翌10/7、以前からブログで書いていました注意点、円ドルのチャートポイント、10日線割れや108.5円を割ると円高リスク(当然、株安リスクと置き換えられるが)。
円ドルは2日続けての陰線で円高、米国雇用統計の改善が相場に反映されません。
と同時にこの日の日経平均は178円安、富士重 <7270>も49円安。ますます天井感が強まってきます。
その後は戻すことなく10/10には15300円までの下げとなっています。
9月の勉強会では、高岡が簡単な相場日記を付けていて昨年末高値12/30の直前、総理の靖国参拝は売り材料(12/26)と考え、高岡の日記には「株は売った」と書いてあったことを紹介。
講座参加者には、簡単でも良いから自分の売買記録・相場の感想、手帳に書くことはチャートやテクニカルを分析するのと同じくらい重要。こう言うお話をしました。
もしもこのことを覚えていたら、今回の高値もドル高一服=日本株高一服、こう考えることが出来たはずです。
今回と前回高値12/30以後とでは大きな違いがあります。
①今回の方が日経平均の下げスピードが速いこと。逃げ遅れやすかったと思う。
②25日騰落レシオの違い
昨年12/30高値の日経平均、株価は下げつつも騰落レシオは100%を超え上昇。12/30当時よりも戻り天井の1月中旬の方が同レシオは高く、個別株のヤラレは今回ほどではなかったはず。
しかし今回は同レシオは100%を割り直近は77%まで低下。多くの銘柄が値下がり傾向、こう言う違いがあります。
ちなみに25日騰落レシオ77%台というのは、日経平均が急落した2/4・2/5当時14000円割れ、この時でも同レシオは88%、94%、(10/10・15300円)
いかに今回の方がレシオの低下スピードが速いかを表しています。
(個別株の崩れが早い)
高岡が出来る範囲で、講習会やブログで相場のヒントを取り上げるつもりですが、相場の天井・底値で起きたチャート、指数、材料、記録しておいて損はないでしょう。
そういう努力の積み重ねが次のチャンスで生かされると思います。