円高に変化がなければ株の戻りも限定的か
先月号では、過去の日銀緩和策、13年4月や14年10月は「円安+株高」となり大成功だった。しかしその後の15年12月や16年1月の政策は「円高+株安」を招き失敗。さらに追加緩和を見送った直近も「円高+株安」を招くなど、日銀が動けば「円高+株安」が最近のトレンド。よほど市場の反応を緻密に予想した政策を打たないと、打っても株安、見送っても株安。こう言う結果になりかねない」。
こう言う内容であったが、結果は15000円目前まで株安が続いている。
さて今月はいつ米国金利が上昇し円安ドル高へと変化し日本株が戻るかどうか、重要な月となりそうだ。
まず直近発表の米国経済指標、ISM製造業・ISM非製造業・雇用統計、すべて市場予想を上回る内容。それでも1週間で約2円の円高。
特に米雇用統計の結果後。市場予想を上回る内容にもかかわらず一時は99円台まで円が買われたり、米国長期金利が低下したりと、円高トレンドを脱するのは容易ではない。こう言う印象を強く受けた1週間だった。
図-1
さて目先のチャートの節は、7/4の高値である15805円が第一目標。ここを突破すれば16000円~16350円辺りが第2目標。米国株が史上最高値まであと一歩という状況を考えれば決して無理な目標ではない。
ただ15805円を付けた7/4は1ドル103.4円を、16389円を付けた6/24は1ドル106.83円を付けていたことを考えると、株だけが為替を無視してドンドンと戻るほど単純でもないだろう。
アルゴリズム取り引きが主流となった今、1ドル105円なら日経平均は??円が妥当値、103円なら??円、100円なら??円とプログラムされているはずで、為替が動かないなかで日経平均だけが戻り出す事は考えにくい。
むしろ為替面から見て日経平均が高すぎると判断された場合は、日本株に利食いが出て戻りを抑える働きが強まると思われ、為替の戻りが鈍い場合は早めの利食いも必要になると言うことは、常に意識して売買するのが堅実と思われる。
注目は株が安定的に上昇に向かう政策が発動されるかだが、そもそもその様な政策が存在するのかどうか。
次の日銀金融政策決定会合は7月28日(木)・29日(金)。ここまでの我慢で済んで欲しいものだが・・・。