113円台の節目突破で円安基調強まる
1ドル113円の壁、これを明確に突破したことで、まずは115円の節目が視野に入ってきた。日本株には当然ながら好材料である。1ドル108~109円辺りで2018年企業業績を予想する企業が多く、上方修正要因となるためだ。
チャート面では、昨年12月に付けた1ドル118円台から引いた上値抵抗線を突破。25・75・200日線が再び上昇方向にあり、これら日々線を上回っている。
日足の一目雲上限も抜けており視界は良好だ。
週足チャートでも、上値抵抗だった26週線を突破。13・52週線は上向きなど方向は円安示唆。週足一目でも転換線や基準線を越え円安基調にあるなど日本株の下支え要因である。
一方日本株は微妙なところ。5月以降、短期的なピークから押し目までが約10日間で押し目が25日線で終わる。こう言うリズムだった。
だが今回は、日柄面で少々長く25日線を割り込んでしまった。TOPIXは25日線を維持しているので、日経平均のイレギュラーなら問題はない。短期間で下降気味の25日線を回復してしまえば、トレンドが大きく壊れることはない。
しかし25日線を割り込んだ状態が続くなら、25日線は下降基調となり調整サインは点滅となる。
直近の日経平均高値は6/20に付けた20318円で1ドル111.50円辺り。現状はその当時よりも2円以上も円安にもかかわらず日経平均は20318円を下回っている。円安=株高の関係が今でも成り立っているのなら、週明け早々にも高値更新は当然だ。
だが手こずるようなら、何か別の懸念があると市場は考えているかも知れない。
世界的な金利上昇は過剰マネーの縮小を意味し、投資市場から資金が引き揚げられる、こう言う懸念である。そしてそう言う事実がジワリと進んでいるから、円安が進んでも日本株が高値更新に手こずっている、こう言う現実にも結びつくのである。
世界の株式市場が大きな転機にあるのか、単なる気迷いなのか、その判断は非常に難しい。
解りやすいシグナルは、日経平均の高値更新だ。円安=株高と素直な反応だから。
円安が進む割りに高値を超えられないなら、調整の気配と用心も。