株は下げ止まり、だが「森友・加計問題」は・・・
米国雇用統計の結果を受け、NYダウは440ドル高、ハイテク比率の高いナスダックは史上最高値を更新。2月の米国株の急変動はいったい何だったのか、こう思わせる復調ぶりにさすが米国株と言わざるを得ない。
この原動力には米国経済指標の内容(過度なインフレ懸念が後退)に加え、米朝間の首脳会談(5月末までに)。これが電撃的に決まったというサプライズもあるだろう。
実際、北朝鮮が米国を相手に核戦争を仕掛けるなら別だが、少々「北」がごねたからと言って米国や世界経済が大きく悪い方に引っ張られることはなく(昨年後半の北のミサイル挑発時に世界経済の成長率は下方修正どころか上方修正されている)、米国株がこれだけ反応することには意外感もあろう。
だが市場が大きく反応するのは予想外の出来事に対してだ。実際の経済への影響度よりも心理面への影響度が大きいのだろう。先週金曜日の米国株の日中足は押し目なく上昇。売り方の買い戻しを誘発させる上げ方だ。
週足テクニカルでは調整未完了な米国株だが、ナスダックが史上最高値を更新したため調整一巡、こう判断しなくてはならないのだろう。
一方の日本株だが、12日RCIと26日RCIはボトム圏まで低下。25日線(21750円)や上値抵抗線の21900円辺りを超えてくるとトレンド好転。
9~12週RCIもボトム圏まで低下し一旦は戻りが期待出来る形状だ。少々欲張りだがまずは26週線の22140円辺り。次に下降中の13週線が22600円辺り。この辺を超えてくるとチャート好転。日足ないし週足テクニカルの過熱または陰転まで戻りが期待出来るパターンとなる。
懸念は二つ。一つが円高。目先は9~12週RCIがボトム圏まで低下し一旦は円安に動きやすいタイミング。が、2016年と同じように13・26・52週線を割り込み、各平均線も下向き(円高の方向)。2016年の円高終了時のテクニカルは26・52週RCIがボトム圏まで低下、そして13週線越から円安が始まった。
現状26・52週RCIの調整は未完了。米国中間選挙があり保護主義的な貿易政策=ドル安に傾きやすい点。さらには米朝会談が不調に終わった場合、期待が失望に変わり急激な円高に変化する可能性は否定出来ず。
また森友問題では、森友側に国有地を値引き売却された時期に、森友側と直接交渉していた現場責任者の直属の部下が自殺に。この問題が安倍総理を辞任させる方向に発展した場合、アベノミクスの終わり→外国人の失望売り→日本株大幅安+デフレ回帰で円高、こう言うリスクもあるだろう。
目先は戻り方向と思うが、特に安倍内閣を崩壊させるような方向に森友問題が展開した場合は、米国株が史上最高値を更新しようとも一旦は大幅安の調整を食らう可能性。総理辞任なら持ち株は投げるのか耐えるのか、決めておくべきだ。