テクニカル面では調整入り
先週は世界の景気に対して悪材料が目立った。
国内では景気の基調判断を下方修正。
OECDが日本や世界の成長率を下方修正した。
ECBが利上げを断念し金融緩和へ。
中国の貿易統計の悪化。
米国雇用統計の弱い雇用者数。
この様なマクロ面での弱い経済データが毎日発表され、強気の株式市場も冷や水を浴びせられた格好だ。株式市場は米中貿易交渉への期待もあり、NYダウは史上最高値まであと700ドルまで迫る好調な戻りであったが、9週サイコロやRSIが2/22にこれ以上ない100%を示現。そこからの調整場面という現状、調整2週間で終われるほど楽観できるのかどうか。
さらに日本株、欧州の弱い経済にECBは今年の利上げを断念、むしろ金融緩和を強化すると発表し、円ユーロは円高に変化中。
対ドルでも112円を円安のピークに円高気味に変化してきた。111円辺りには日足の節があるため一旦円高が止まりそうなポイントだが、ここを割り込むと110円、109.5円が視野に入る。
日本株上昇の一つには「円安」があると思うが、世界の弱い景気指標で各国は利上げから利下げモードに変化しそうな昨今、「ゼロ金利」の日本にとってはこれ以上の追加緩和は難しく、また円安誘導とトランプ政権から批判される可能性が高く日銀は動けない。
そうなると、金融緩和余地のある米国や欧州の金利が下がる一方、何も出来ない日本という関係から、日本と欧米との金利差が縮小し「円高」に動きやすい環境が出来上がる。これも日本株にはマイナスだ。
2019年、中国は大型景気対策を実行する方向だし、欧州も金融緩和で援護射撃、通常なら先行きの明るさに期待した買いで株が上昇してもおかしくはない。だが昨年12月安値からの戻りの勢いが良かった分、上記のような前向きな材料評価は「織り込み済み」とのことだろうか、株式市場の反応はマイナスであった。
日本株には、世界景気の悪化は世界の景気敏感株と言われる日本株にマイナスだし、円高もこれまたマイナス。先週の弱い景気関連材料により目先のトレンドが悪化した可能性がある。
NYダウ週足
またテクニカル面では、NYダウの9・12週RCIは過熱圏でデッドクロスし、9週RCIは下降し始めた。株価の下支えに期待したい26週線(25084)、52週線(24969)、13週線(24618)などがあるが、週足テクニカルの調整は始まったばかり。株価に迫る移動平均線で調整が一巡するかどうか。
日経平均週足
日本株に至っては、9・12週RCIが過熱圏まで上昇し52週線で戻りを叩かれた格好で、チャートの節目の22000円で一旦戻り終了というチャート形状。13週線が20691円にあるがココで止まるかどうか。週足テクニカルの水準などからは1・2週間で調整終了とは考えにくく、下降中の13週線は下値支持帯としての機能は果たせないのではと考える。
一段の円安とか、世界の景気指標に明るさなどの材料がないと、調整モードは長引く可能性が出てきた。