過去のケースでは株価堅調なのだが・・・
米中貿易交渉は決裂、トランプ大統領は中国からの輸入製品2000億ドルに対して25%の追加関税をかけると表明。さらに中国から輸入している残りの3250億ドル分へも25%の関税を用意しているという。株式市場の反応は楽観だがどうなって行くのだろうか・・・
確かに過去を振り返ると米国と中国間での関税の引き上げ競争で株は下がらなかった。
第一弾の2018年7/6に米中双方が340億ドル分に対して25%の追加関税を掛け合った。
この日のNYダウは+100ドルで引けその後、10/3の史上最高値26951ドルまで上昇を続けた。
ドル円も110.47円→7/19に113.16円までドル高と、株も為替も売られるどころか買われたのだ。
第二弾は2018年8/23に米中双方が160億ドル分に対して25%の追加関税を掛け合った。
この日のNYダウは-77ドルで引けたが、10/3の史上最高値26951ドルまで上昇を続けた。
ドル円も111.3ドル→10/4に114.55円までドル高と、株も為替も売られるどころか買われたのだ。
第三弾は2018年9/24、米中双方が追加関税を掛け合ったが、中国が600億ドル分。対する米国は輸入が多い分2000億ドルと膨らんだ。
この日のNYダウは-181ドルで引けたが、10/3の史上最高値26951ドルまで上昇を続けた。
ドル円も112.53円→10/4に114.55円までドル高と、株も為替も売られるどころか買われたのだ。この様に過去は事前に織り込んでいたためもあるだろうし、貿易戦争は中国経済には悪影響だが米国への影響はほとんど無い。こう言う試算が次々と発表され、世界のお金が米国市場に集中し米国株は史上最高値を更新する。
NYダウ日足
ドル円日足
今回の第四弾、実際には第三弾で中国から輸入される全ての製品に25%の追加関税がかけられたのではなく、一部が課税免除されていた。その免除された分を含め全ての2000億ドル分に25%の追加関税を掛けたので、これも第三弾と呼んでいる。
この日のNYダウは+114ドルで引け、ザラ場の安値から500ドル弱も切り返したのだ。
さて米国政府は第四段として、中国から輸入している製品の未追加課税分の3250億ドル分に対しても課税の方向だという。実際の課税には1~2ヶ月程度の時間が必要の模様で、その間も米中間で貿易協議は継続の方向のようだ。株式市場は中国全製品への追加関税による世界景気悪化懸念よりも、米中間での継続協議に期待が勝り株は切り返した。過去も含めこの流れが正しければ、株を売るのはもったいないとなる。
しかし両国が決裂して世界経済が悪化する方向になるようなら、株を持つのはリスクが高い事となる。今後もトランプ大統領のツイッターに一喜一憂させられるのだろうから、日本自身の材料で株高トレンドを形成するのは困難だろう。そうなると個別株となるのだが、世界経済がぐらついても投資先の企業の業績拡大に変化はなく、日本に必要な企業を見つけ出すのは容易ではない。そう考えると米国の株式市場は力強いと感じるが、日本株も個別株も米国株と同様になるとの期待値は、両国株の安値からの戻り率を見れば過大な期待は禁物となろう。
週足RCIなどのテクニカルでは、日本株もドル円も買い難い。ここは様子を見るしかないと思うのだが・・・、好転に期待したい・・・