10/10予定の米中貿易交渉の行方に身構える
この1ヶ月の株価の動きはやたらと忙しい。米中貿易交渉への期待感などから株価は急反転し、9/19日経平均は22255円の高値を付ける。しかしその前後で12日RSIや12日サイコロ、さらには25日線カイリ率などが過去2年間の最高値を示現。また同時に上昇していた米国長期金利も9/13にピークを付け上昇一服から低下へと変化。
すると上昇していた日本株も上昇から調整へと悪化。そして先週の米国経済指標、9月のISM製造業も非製造業も急激に悪化、9月の雇用統計も雇用者数の伸び鈍化などから米国長期金利は低下傾向、円ドルも107円割れの円高傾向だ。通常なら日本株は調整方向に動きやすいのだが、米国株が先週後半から急激に反転してきた。理由は追加利下げへの期待が強まったためだという。
弱い経済指標に反応した10/1、NYダウは343ドル安、10/2が495ドル安となり10/3、9月ISM非製造業が急低下。寄り付きの米国株は大きく下げてのスタートだったが、下げ一巡後は弱い経済指標→追加利下げ期待→金余り→株高、こう言う連想なのか弱い経済指標に対して強気に変わったのが10/3で、約300ドル安から123ドル高でこの日は引け。翌10/4も雇用統計は期待ほどの伸びを見せなかったが、「利下げが期待できる程度の程よい弱さ」なのか、この日もNYダウは372ドル高で終了した。
一方、米国長期金利(10年債)はジリジリと低下で取引終了。円ドルもジワリ円高で終了と、日本株をガンガン買うには環境が悪い。なぜなら米国の景気が弱いという事は、米国向け輸出で儲ける多くの日本企業の業績は好調よりも悪化が考えられるし、そこで勤める従業員の給与も増加は期待しにくく、国内消費にも悪影響を及ぼすだろう。この様な関係上、利下げ期待で上昇する米国株高を頼りに日本株も上昇を継続できるのか疑問である。
しかも今週は米中貿易交渉が予定されている。抜本的な合意など期待できないので、双方がどこまで歩み寄れるのか。そしてその内容に株式市場が好感するのか、失望するのかを確認しない事には動きにくい。
米中貿易交渉は今後も継続協議、日米の株式市場は期待したほどの成果は得られないものの、喧嘩別れは回避され個別株を部分物色、こんな展開になれば材料のある株は買われそれなりに面白い展開も考えられる。
一番まずいのが、利下げ期待で戻りを試すが、米中貿易交渉は決裂。株価が高い位置に戻ったためその反動売りも強力で調整を強めるという展開だ。
果たしてどういう展開になるかは予想もつかないが、10/10よりも前に買いは利食い・現金化して米中貿易交渉の結果を確認してから再び買うなり、現金化維持で下値確認を待つ。これが堅実であろう。もちろん買い株に相当する金額を、先物や日経平均連動型のETFの売りなどでヘッジするという高等戦術もあるが、いずれにしても上、下にヤマを賭けない方が無難だ。