高岡隆一の株達の極意 伝授します! 2020年01月14日

なにやら「きな臭い事件」が中東で勃発、株式市場は好材料と悪材料との綱引きで乱高下している。

良いニュースは、米中貿易交渉第一弾の合意署名が1月中旬にも実施される模様。また第二弾については大統領選後までの延期も視野にと、トランプ大統領が発言。昨年も悩まされた米中貿易戦争による波乱からは逃れられるかもしれない。

一方で、米国とイランによる報復合戦は各市場を大きく変動させている。そしてマスコミもまた「中東問題はガソリン価格上昇に影響」と、家計負担をあおっている。市場関係者の中には、イランが誤射したウクライナ機撃墜による事故が、米国とイラン問題をより深刻にするという。本当だろうか・・・

まずイランが報復として米国軍基地にミサイルを撃ち込んだ1/8の早朝、日経平均は600円以上も下落し、円ドルでは1円以上も円高となる1ドル107円台を付け、原油価格(WTI)も62ドル台から66ドル弱まで急騰した。朝のニュースは株安・円高・原油高を伝えた。

WTI
WTI

日経平均5分足
参考チャート

しかしこのような変動は続かず、原油価格はじり安となり夜半には62ドルまで下落、上げ初めの水準をも割り込みだす。他の市場も同じで、株は下げ幅を250円縮小、円ドルも円高から円安方向で引け。この1/8水曜時点で各市場は、米国とイランの問題はこれ以上悪化しない可能性に動き出していたと言える。

ここを買うのはとても難しいが買い場だったのだろう。今のところは。そして相変わらず「大変だ」と騒いでいたのはマスコミだけだった。

その後、両国がこれ以上の武力行使はしたくないとの旨を発表。株は一段高となる。そしてウクライナ機撃墜が伝わる。はじめは「ヤバイ」と思った方も多かったはずの大ニュースだ。

ウクライナ機撃墜のニュースは、米国とイランの関係をより悪化させ要注意材料だ、というアナリストも少なくない。しかし高岡はその逆と考える。

今回、不幸にしてイランのミサイルがウクライナ機を撃墜したのなら(イランが認める方向に変化)、安易な米国軍基地へのミサイル攻撃はしにくくなるはず。しかも自国のイラン国民も犠牲になっているのだから、よりこの方法による米国への対抗はしにくいだろう。イランの反撃や挑発がいったんでも下火になる方向なら、株式市場にはプラス材料だ。だからこの数日間の日本株は大きく下げなかったのだと思う。

この問題を楽観しているのではないが、米中貿易問題が世界経済を悪化させ株にもマイナス、という見方は大外れだった昨年相場。今年はどんな年になるのか楽しみだ。今年もよろしくお願致します。

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