世界中でコロナウイルスの感染が急拡大、各国は厳しい鎖国政策を行い、経済を犠牲にコロナ退治に邁進している。レストランはもとより様々な業種に対し営業を禁止させ、厳しい外出禁止などを加え、経済を犠牲にしている。
当然株価も下落かと言えば直近はリバウンドを強めている。強烈な株価急落の反動に加え、先進各国の異例の金融緩和と財政政策が第一波・第二波と次々に打ち出され、これが投資家の安心感となっている。
多くの投資家はこのままリバウンドを強めてもらいたい、と考えていると思われるが期待通りの強気相場入りになるのだろうか。
日本株に影響の大きなNYダウを見てみる。
月足的には、2018年以降のもみ合い下限が25000ドルで、短期的な戻りの節になりやすそう。
NYダウ週足
週足では、9~12週RCIはボトム圏まで低下後、陽転開始。通常なら9週RCIの陰転までか、2か月前後のリバウンドが期待できる形状。
ただしチャート上の節に加え、上から降りてくる13週線が戻りの抵抗体になりやすく、ここから上値を欲張れるかどうか。
日足では、2/12高値29568ドルから3/23安値18213ドル、この下げ幅の半値戻りが23891ドルで4/9のザラ場でタッチ。次の目安は61.8%戻りの25230ドルとなり25000ドル台の節に合致。
また3/23安値18213ドルから3/26戻り高値22595ドルが4382ドル幅の上昇。
4/2の押し目20735ドルに4382ドルの上昇幅を加えると25117ドルが二段上げの計算値となる。
上記の計算を日経平均で行うと、
3/19安値16358円から3/25戻り高値19564円までが3206円の上昇で、4/3押し目の17646円に加えると20852円となる。
下降中の13週線や日経平均の半値戻り20176円や61.8%戻り21077円など、この辺を目安と考えるなら、19500円前後の時価からの戻りは欲張れない。
ワクチンや治療薬ができれば、異常時の金融緩和や財政出動から急激な戻りも期待できようが、そういった劇的な材料がなければコロナは第二波・第三波と襲ってくる可能性がある。過去の深刻な感染症がそうであったし、直近ではコロナ退治がうまくいっていたシンガポールでも、規制を緩めたとたんに新規感染者が急増。再び厳しい隔離政策に戻している。このような例は北海道でも同じであろう。再び感染者が増加傾向だ。
感染学者ではないので詳しいことはわからないが、高岡は現代の感染症は「欲望指数」だと思う。この「欲望」を自由やプライバシー保護などで強く重視する国、コロナ繁殖には最も心地よい場所なのだろう。米国そしてNY市がその象徴だ。感染者数・死亡者数は中国の6倍を超えようとし、世界で断トツの一位になるだろう。
これから一時、各国国民は厳しい外出規制や自宅待機政策でコロナ感染が減り、それぞれの規制が緩められるだろう。そうして今の中国のように国内での移動の自由が広まり人々は平時の喜びを分かち合い、消費や旅行を活発化させる。するとコロナ感染の第二波がやって来るかも知れない。過去の感染症ではそういうことが確認されている。
早期のワクチンや治療薬の開発に期待し、株の戻りにも期待しているが、そう簡単にコロナが退治できるのか非常に心配だ。
アフターコロナの世界を考えてみると、5G・6Gなど高速データ通信や人工知能などの必要性や重要度はなんら変わらない。こういう見方から関連株を長期で仕込むスタンスを推奨する向きもいる。米国マイクロソフト・グーグル・アマゾンなどである。
ただアフターコロナの世界で、米国の最強ネット関連株がこれまでと同様に、強い競争力を保有し続けられるかは分からない。
コロナ感染を機に中国は一段と技術革新を進めている。プライバシー保護がないのと同然の中国国内で国民監視システムを実戦配備し、その技術の鍛錬や精度を上げるのに日々邁進している。通話やSNSの内容監視、位置情報やカード決済履歴、ネット検索履歴などで誰と誰が繋がり、どういう思想を持っているか。犯罪を起こす可能性などを、監視カメラや人工知能などから割り出し、治安維持や言論統制に利用している。
この技術が独裁国の多いアフリカや一部アラブ諸国などに導入されると、世界は中国的な思想が正しいと考える国民の比率が増すだろうし、コロナ対策を見てもプライバシーよりもデータ管理・国民管理が治安を維持するためにも、感染症対策からも大切という思想が世界を二分化させるだろう。そして中国ネット企業の投資価値の向上が米国企業の牙城を崩す可能性も否定できないだろう。
少々飛躍したが、目先は欲張らず買い方は短期売買に徹して「しこりを作らない」スタンスが堅実。ワクチンや治療薬ができれば、大きな相場がやって来る可能性があり、その時に頑張ればよいと思う。
いい感じに戻ってきたが、ここで欲を張って買いで勝負すべきか、次のステージまで耐えるか、投資家のスタンスが試されていると思う。