上げっぷりが大きく最も強力な相場、つまり需給相場に突入だ。主役は外国人投資家だ。
彼らは日本株に弱気だった。理由はいくつもあると思う。
世界経済減速の悪影響が最も大きい国の一つであること。
日本だけ独自の甘いコロナ対策は失敗し、日本国内で大流行となり、経済的な打撃は甚大であると予想したこと。
IT化が遅れアフターコロナでは周回遅れになりそうなこと。
などなどだ。
しかし偶然にもコロナの大流行は阻止され、都市封鎖も免れた。これにより欧米のような大幅なGDPの落ち込みや高失業率は回避され、株価も経済悪化の度合いが少ない国の戻りが堅調となり、なんと日本株がそこに入ってきたのだ。
外国人投資家の予想は大きく外れた可能性がある。
彼らは上記理由から日本株を一貫して売り込んできた。年始からの先物+現物売り越し金額は9兆円弱もある。また日経平均が安値を付けた3月第3週の翌週から5月第2週までの売り越しも約3兆円もある。
そんな弱気だった彼らだが、下がりそうで下がらない日本株。円高も予想していたがユーロ圏の大規模金融緩和などもありユーロ円はこの2週間で6円以上の円安となっている。世界経済悪化=物価安=デフレ=円高=日本株安、こういうロジックが逆に動き出し、売り一辺倒だった日本株も買戻しをせざるを得ない状況に追い込まれてきたのだろう。直近2週間の外国人投資家は8000億円買い越してきた。
過去に見みられる株高条件である、円安+外国人買いが足元で起こっているのだ。
ただしテクニカル面では、3月安値から2倍になったマザース指数は9週サイコロやRSIがこれ以上ない100%まで上昇。目先は要注意ゾーンだ。
マザース
東証一部の25日騰落レシオも6/2に150.8%を記録、25日線乖離率は6/3に9.6%を記録するなど、数年に1度あるかという非常に強い過熱サインを点滅。通常ならそろそろ利食いが堅実だろう。
が、3月安値から3兆円も売り越した外国人が、まだ8000億円しか買い戻していないのであれば、「まだ上がある」と考えることもできよう。
発表上1週間遅れのデーターだが、外国人投資家と日経平均を見比べてみると、5月第3週は3900億円買い越し、351円高。第4週は4100億円の買い越し、1489円高。6月第1週は、買い越し未発表だが、986円高。先週も大幅に買い越しているだろう。それでも3兆円すべてを買い戻しているとも考えにくく、今週のSQまで強いか、もう少しの延長戦があるかもしれない。
近年まれな過熱したテクニカルと、外国人による需給相場が終わったとき、日本株の崩れが心配だ。もう少しあるかもしれない堅調相場にかけるか、これだけ上昇したのだから儲けものと思って、「ご馳走様でした」するのか、1度自分のほっぺたを摘まんでみたくなるようなリバウンド相場である。