高岡隆一の株達の極意 伝授します! 2020年08月11日

決算見ながら、のらりくらり

日経平均のしぶとさには驚く。通常なら大きく値崩れしてもおかしくないテクニカルの悪化が、各地でみられるからだ。

日経平均自体は5日線や10日線を出没と方向感がない中、TOPIXの日足は一目雲の中に沈んできた。

25日騰落レシオも中立の100%を割り込み、値下がり銘柄数の多いことを示している。

日経平均の週足、先々週は13週線を割り込んだが、先週は何とか切り返し22000円を死守。この22000円を割り込み続けると週足チャートの形が悪くなるので、何かの意思を忖度したかのように回復。この流れが続くなら今度は「上」を狙う展開が見られるかもしれない。

テクニカル面では、9・12週RCIは6月下旬辺りから陰転下降し始め調整を示唆。先週の陽線が陰線で13週線割れ定着なら調整が進み、逆に買い場を狙いやすかったかもしれないが、先週陽線+株価上昇で引けたので、9・12週RCIの調整がさほど進まず、逆に買い難くなってしまった感じもあろう。

日経平均
日経平均

また業績面では、U字回復が期待されたがどうやら市場の期待のような回復は遠のき、7月初から一株益(225採用銘柄)は10%減少している。企業の決算が進むにつれて業績底入れ感は遠のいているという決算内容だ。

このようにテクニカル面でも形が悪く、業績的な支えもなく、円高も加わるなど厳しい環境にもかかわらず株が崩れにくいということは、投資家は別のことを見て株価を判断しているのであろう。恐らくFRBを中心に「政策」と思われる。

今回の戻り局面で、株価は景気実態を反映していない、との意見をよく聞いた。確かにそうなのだろう。しかしそういう彼らの主張には、客観的なデータによるカイリ・割高感の説明はなく、あくまでも彼らの「主観・下げて欲しいという希望」によるものだ。

一方の強気派の根拠には、各国財政出動の規模はリーマンショック後を大きく上回る2倍超とする。リーマン後中国が大判振る舞いした景気対策を、ゆうに上回る規模が世界中で見られるというのだ。だから経済の回復も弱気派の予想よりも早く回復し、それを株価が先取る形で上昇すると予想するから強気を主張しているのだ。

結果はどちらが正しいかは歴史が示すのだろうが、今のところ強気派の圧勝だ。ナスダックや大型ハイテク株は史上最高値を更新し、買い方は3月安値比で何百兆円か1000兆円に迫る時価総額の増加=儲けを握っているからだ。ざっくり日本株の価値の2倍に迫る勢いだ。

上昇トレンドを示す米国株と比較すると日本株はさえないチャートだが、崩れそうで崩れにくい展開はいましばらく続く可能性もある。

決算を見比べて個別株投資を進めるなら、期待を上回る成果が得られるかも知れない。なぜなら日経平均が横ばうと少ない人気株に資金が集中し、意外高を演じることがあるからだ。

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