好材料と懸念材料が多数あり、東京市場はなかなか上に行ききれない。
買い難い材料では、
(1)米国長期金利(10年債)がインフレ懸念で上昇するどころか1.5%を割り込む急低下。絶好の買い材料だが日本株の動きが鈍い。織り込み済み??
(2)米国の一部アナリストが、DRAMの価格が年後半にも低下しはじめ供給過剰を予想と。
(3)菅内閣の支持率低下、選挙での大敗懸念から外国人様子見に。
(4)オリンピック開催でコロナ感染爆発。日本国内は5回目の緊急事態宣言へ。経済活動は再び制限され欧米との経済成長率格差は一段と広がる。
こういった懸念材料がある。
一方で買い材料は
(1)ワクチン接種が加速しはじめ、7月末までにワクチンが必要な国内人口の40~50%が接種し終わる見通しも。
(2)欧米のワクチン接種の進展で、経済活動活発化は日本経済にプラス。
(3)週足テクニカルはボトム圏から上昇中で、一時割り込んだ13週線も回復。
(4)ワクチン接種の加速は菅内閣の支持率上昇に。秋の選挙での大敗はない。
買い材料と懸念材料の綱引きが拮抗状態、出来高も減り東京市場は梅雨入り宣言だ。
こう書くと「見送りが無難」となる。
確かに決算発表などの材料はしばらくないし、東京五輪が近づくとコロナ感染者数とワクチン接種者の日々確認に神経が集中するはずだ。緊急事態宣言の解除で人流が増えコロナ患者が増えるのか、ワクチン効果で人流が減らなくともコロナ感染者数は減少するのか、年後半の相場の大きなポイントになる。だから感染状況を確認しつつ、ゆっくり相場に参加するのが堅実な方法だ。
ただまだ明確ではないが好転材料もある。
TOPIX日足チャートは上値抵抗線を突破中だし、週足RCI(9+12週)はボトム圏から上昇中。
TOPIX日足週足
さらに厳しい四半期決算を6/11に発表したHIS(9603)は本日高値更新だ。
まだ発表後の初日の動きなので何とも言えないが、悪材料織り込み済みなら買い方には好材料。
HIS(9603)
内閣府の発表では、すでにワクチン接種者数は1日100万人レベルに達しているという。これまでに約2150万人が(2回目と1回目の合計)を終えており、さらに1ヶ月で3000万人前後のペース定着なら、7月末には日本国民の接種必要者の50%前後まで接種が進む可能性がある。
海外ではこの数値が40%あたりから景気指標が一気に好転、株価の上昇も加速するという研究結果もあるようだ。
膠着の続く東京市場だが「上」へのエネルギーは日々溜っているように思うのだが・・・