業績悪化株に注目
6/9高値に調整入りした日本株だが、26000円を割ると買いが入りなんとか26000円下値の展開を維持している。この流れが日本株を上方向に持っていけるだろうか・・・
さて今週(7/11~)の注目点は、7/13発表予定の米国6月消費者物価指数と、7/14発表予定の米国6月卸売物価指数だ。
すぐに大きく低下して「米国インフレ懸念は後退」とはならないだろうが、住宅の先行指標には「住宅頭打ち感が出てくるなど」、米国経済への先行き懸念を示す弱い経済指標が多くなってきた。
そしてそれを示すかのように、原油価格は6/8を戻り高値に低下中(WTI 812)。また物価動向に敏感なCRB指数も低下など(811)、物価上昇によるインフレ懸念も物価が上がり過ぎて消費を抑える傾向が広がり始め、経済が拡大から縮小へと方向転換し始めたようにも見える。
もしもそうであるなら、これから発表される2つの米国物価統計が上昇加速とならなければ(横ばい~小幅低下だろうが)、市場は「物価高→大幅利上げ→株安」への警戒が薄れ、その逆である「物価高一服→大幅利上げもそろそろ終わり→株反転」へと見方を変えるかもしれない。そのきっかけが米国物価統計なのだと思うので、目先は要注目だ。
さてそうなると注目株をどう絞るかだが、タイトルにあるように「業績下方修正株」に注目したい。
浦上先生が考案された相場サイクル論。今の局面は、インフレ懸念が強くあり中央銀行は強烈な利上げで景気拡大を犠牲にしてでもインフレを抑えようとする時期。当然、景気は弱くなり企業業績も下方修正リスクが強まる局面。これが今だ。
だがこの次の局面は、インフレが急上昇からピークを付け物価上昇は弱まり始める。すると中央銀行の強烈な利上げも今がピークでこの先は徐々に利上げペースは遅くなる。または利上げを止める局面がやって来る。すると景気はボトムを打って徐々に拡大方向へと好転が始まる。経済指標は厳しいものが目立つ時期だが、先々は今よりも良い時期になる、景気は拡大するだろう、企業業績もボトムを打ち利益拡大が望めそう。こういうマインド変化が見られ始め、弱気相場は終わり強気相場がスタートする。そういう局面の手前にあるかもしれないという事。
その一つのヒントが、業績下方修正株が買われ始める時だ。
直近では良品計画7453がヒントになる。
7453良品計画日足
株価は21年高値から半値以下の株価位置。コロナによる消費抑制の影響で現状は厳しいが、先々、景気が回復方向へと好転が期待できるのなら、今が最も業績的に厳しい企業が注目だ。
週末発表の米国雇用統計では、明確に平均時給がピークを打ったというデータは見られず、平均時給はピーク圏で横ばいだった。もしもこのデータを嫌気して米国株が売られたなら(インフレはピークを打ってはいないという解釈)、業績悪化株に注目と言うスタンスはまだ早いとなる。
だが雇用の物価指標である平均時給が明確に低下してなくても株が売られなかった、ということは、「そろそろ物価上昇もピーク」、と見ている投資家が増えてきたためだ。
そして株を売るのではなく、株を買うタイミングを探している投資家が増えてきたからこそ、米国株が下げなかったと考えれば、両物価指標はますます要注目だ。
米国の物価指標が横ばい程度でも株が売られない、または買いが入れば、相場が強気転換を期待し始めた証拠と言えなくもない。
と言う理由から、7/13・7/14の指標内容と株式市場の反応に注目したい。
これから四半期決算を含め業績関係の材料が増えると思うが、上方修正よりも下方修正株の動向に注目したい。