戻り一巡から下値試しか**
8/17に29222円の高値まで上昇した日本株だが、米国株の軟調もあり一旦は戻り一巡。次の注目点は、日経平均の下値は何時でいくらか、この点に移行した。
今回の戻りと高値示現は、「テクニカルと一株益の推移」から順当な推移だったと思う。
まず6/9に28389円の高値を示現後26000円を一時は割る調整を見せた。瞬間26000円を割り込む場面もあったものの大崩れは回避され、26000円での下値固めを7月中旬まで行った。これはテクニカル要因が下値維持に寄与したと思う。
6/6号で、「数年ぶりに、26週RCIと52週RCIがともにボトム圏まで低下してきた。昨年2月高値から調整は1年を超える期間。日柄十分と言う感じだし、13・26週線も超えはじめチャートも悪くない。しかも短い9週RCIや12週RCI水準も過熱は見られないレベルにあり、戻りだすとある程度の値幅も期待されるタイミング。
仮に一旦戻りが終わった場合でも、26週RCIや52週RCIがボトム圏にあるため、よほどの悪材料が無ければ値幅を伴う下げは回避されると思う。むしろ「2回目の戻りトライ」も期待され、長いテクニカルのボトム圏は戻り相場を期待させる」とした。
今回の戻りは、6/20の安値25520円からスタートし8/17の高値29222円まで上昇したが、中長期の週足RCIがボトム圏にあったという点が大きいと考えます。
ではその週足RCI、現状は9~12週が過熱圏に突入し高値警戒水準。頼りの米国株も同じ形で短期調整を示唆。
日経平均週足
NYダウ週足
まだ26週や52週は過熱水準にはなく完全に戻りは終わったとは言えないが、26週RCIも中立の0%を超えて上昇中のため、先行上昇する9~12週RCIが陰転下降し始めると、26週RCIも下降して調整が大きくなったり長引く可能性も否定は出来ない事が警戒ポイント。
一株益の関係では。
5/9号で、日経平均の日々の一株利益の推移を確認する(ノートに残す)ことも、相場の方向を考えるうえで有効としました。
実際、日経平均の一株益は6/22と7/4に2054円と言うボトムを付けた後は徐々に増加。決算発表最終の8/15には史上最高の2229円まで増加しました。そして日経平均は8/17に高値を示現。一株益の増加と株高が同時に見られた局面でした。
そして決算発表も終わり「これ以上は一株益は増えないタイミング」と言う絶妙の時期に日本株は高値確認。テクニカルと一株益が日本株を動かしたと言っても良いでしょう。
さてこれからですが、上記の様にテクニカルは調整を示唆、一株益も増加一服と言うタイミングのため、上よりも下への警戒が必要な時期と考えます。
そして注目のジャクソンホールでは、FRB議長は「インフレを抑え込むために景気を犠牲にすることもあり得る」、とインフレ退治をより強化しています。と言うことは、今後発表される米国経済指標では、「強いものよりも弱いものが連発するまでインフレ警戒を緩めない」と市場は受け取っていると考えるので、今後発表予定の雇用統計などでは、失業率は上昇し時間当たり賃金は下落するという、「不景気を連想させる内容」が定着しないと金融緩和期待は盛り上がりにくいと思われる。
暫く米国経済指標の悪化と物価上昇の急ブレーキが同時に起こるまで、株は上下動を繰り返しつつ調整方向に動きやすいと思われ、まずは日足テクニカルの調整一巡を。次に週足テクニカルの調整一巡までは要慎重のスタンスが堅実と考えます。
私の病気治療のためこの原稿は不定期となりますが宜しくお願い致します。