高岡隆一の株達の極意 伝授します! 2023年01月10日

第一関門は突破

注目の米国12月雇用統計、無事に通過した。懸念された労働市場のインフレは、平均時給上昇率が市場予想を下回る結果となり、米国市場の反応は金利低下→株高となった。残る目先の注目イベントは、1/12発表予定の米国CPI(消費者物価指数・12月分)。雇用統計と同じくインフレ率の低下が確認されるなら、米国市場の株高が期待される。

特に日本株との連動性が高いとされる米国ナスダック。金利上昇を嫌気して米国株式市場では最もリバウンドが鈍い市場の一つだが、週足RCIを見ると9~12週RCIはボトム圏目前まで低下中で、中長期のリズムを示す26週や52週RCIはボトム圏にある。テクニカルの形状からは押し目買い、強気、という形状だ。

ナスダック週足
ナスダック週足

もちろんCPIが高いインフレ率を示した場合、株高シナリオは一旦崩れ調整継続のリスクは残る。しかし週足テクニカルが十分低下しているため、金融危機やロシアが核兵器を使うなど、「想定外の事故」が起きなければ調整幅や期間は浅いものと考える。

また月足テクニカル(9ヶ月SRV-KとD)もリーマンショック直後の安値形成時と同水準まで低下中。悪材料はかなり織り込まれつつあると考えていいと思う。

ナスダック月足
ナスダック月足

気になる円高リスクだが、2022年に急激に進んだ円安の起点を昨年3月時点の1ドル115円辺りとすれば、151円台まで進んだ円安の半値押しが133円台で到達。61.8%押しが129円割れ辺りだから、1/4に付けた130円割れの円高でかなり織り込みが進んだ可能性も。

ドル円日足
ドル円日足

現状の経済指標や各国の金融政策に大きな変更が無いと仮定するなら、円高が進むということは、米国経済指標が弱くインフレ率も低下。よって米国金利低下で円高になり易いのだが一方で米国株高も期待できる。

逆に円安が進む場合は上記の逆で、経済指標やインフレ指標が強く円高は止まるが金利上昇による米国株安が懸念。つまり日本株にとっては、円高も円安も両手をあげて喜べない弱い一面を抱えているわけで、この点が強気になり切れない要因でもあろう。

円高でも円安でも株高に持っていける独自材料が必要なのだが。

注目は「異次元の少子化対策」。国内には一定割合で移民を嫌う国民がいて保守層を形成。各党とも強く移民政策を押し進められない背景がある。と言うことからか、少子化を止めるには子供をたくさん産める環境が大事とばかりに子育て支援策に傾きやすい。本来なら移民政策と子育て政策の両面作戦を同時に行えれば良いが、「選挙と言う大人の事情」なのだろう、移民政策は難しいようだ。

果たして国民が驚くような少子化対策が打ち出されるのか、出産費を5~10万円増やして支給するというセコイ政策で終わるのか岸田総理の本気度が読めると思う。

年初めは米国金利を見ながらの一喜一憂相場。1月下旬から2月初旬は第三四半期の決算内容にこれまた一喜一憂。まだまだ気の抜けない相場が続きそうで、「どうなったら買う売る」をしっかり実行することと、テクニカルの動きを軽視しないことで乗り切りたいと考えます。

2023年が皆様の飛躍の年となりますよう心から願っております。

高岡隆一

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