予想以上に強い日本株
今回の株高で感じることは、減益予想株が売られにくくなっていることだ。特にIMFが世界景気予測を下方修正したり、多くのアナリストやエコノミストが米国のリセッションを予測している現状、当面の日本企業の一株益も増えるよりは減る方向なのだろうが、なぜか株価は上方向だ。
これは売り方の買戻しによる一過性の上げなのだろうか。
弱気筋はそう解説している。そして3月中旬の短期調整(米国一部銀行の破綻などで)は弱気筋の予測が一瞬当たった。
だがその後は、米国当局の素早い対応もあり株価は戻り歩調となり、調整前の3月高値28734円(日経平均)を抜き、買い方が勝利し始めている。
そして何よりも驚きなのが、2024年3月期の予想収益を減益とする企業の株価、これが意外に底堅い。
幾つか例に見てみよう。
20%減益予想のファナック(6954)485円→535円、40%減益予想のアドバン(6857)120円→135円、56%減益予想の新光電工(6967)50円→50円、14%減益予想の日立(6501)125円→145円、7%減益予想のコマツ(6301)139円→139円、3%減益予想のソニー(6758)65円→75円など。(銘柄コードの後ろの数字は23年と24年の配当金)
これらの共通点は、減益予想でも増配見込みだったり、悪くても配当据え置きを発表しているのだ。
従来なら、減益予想=減配が大方の企業行動だったが、PBR1倍割れを是正するためにか積極的な中期経営計画策定や、増配・自社株買いなどの株主還元策を積極的に行う企業が急増。これが投資家心理を強気にさせている可能性がある。
加えて投資の神様バフェット様も、米国中心のポートフォリオをリスク分散の観点から日本株投資を増やすという「お墨付き」、これも世界の機関投資家の行動にプラスの影響を与えているのかもしれない。
そこで株達の銘柄選択機能を使ってみよう。
日足で、市場は東証プライムとした。
ここで使った条件は、
連結経常益は、-5%~-9999999.99の減益。
配当金は、前期と比較で0円以上(減配しない)。
時価総額、5000億円以上とした。
結果は、配当の増配額の上位順としている。
注意点は、まだ24年の収益予想の未発表株も選択されるため、決算発表がほぼ終わる来週5/16~5/17以降に行うか、選択された銘柄をチャートで見るときに、業績欄も表示させて、24/3月期が表示されている銘柄だけコード番号をメモするなりの工夫をしてください。
PERの水準や配当利回りなど、そもそも割高株も含まれるので自身での選別が必要になりますが、減益株でも売られない相場は強い。こういうヒントを相場の羅針盤として使うのも手。
もちろんこういう減益株が上がらなくなってきたら、物色が変わるか調整への前兆の可能性もあるので、いろいろと試してみてください。