高岡隆一の株達の極意 伝授します! 2023年06月05日

※2023年6月をもちまして更新終了となります。ご了承くださいますようお願い申し上げます。

日本株高のスタートなのか、天井なのか

驚くほど強い日本株だ。その原動力は外国人投資家の買いである。なぜこの時期に日本株の見直しが始まったのかを知る由もない。ただヒントになりそうなのが、4月号で書きました「安すぎる日本株の是正に取り組む東証」。そして投資の神様「バフェット様の日本株をたたえるコメント」であろう。

まず前者では、異次元の株主還元策があると思う。

「儲けをため込むばかりが能ではない」とばかりに、減益企業でも増配株が見られ、配当性向を50%・100%と、儲けの多くを還元する姿勢などが多くの投資家に、「今までにはない新鮮味」に映った可能性はある。

後者のバフェット効果、これもインパクトは相当にあるのだろう。

若いころから投資資金を増やし上場会社のバークシャを買収。これを投資企業に変革してさらなる投資を行い大成功。いまやバークシャの時価総額は100兆円に急接近。かたや日本を代表する野村証券の時価総額は1.5兆円(たったこれだけ??)。バフェットと野村証券のどちらの見通しに乗るかと言われれば、答えは明らかだ。成功者の意見に乗るはずだ。

その彼は、保有する世界最強の半導体製造会社TSMC株を売り、日本株が最も有望とぶち上げた。おそらく世界の機関投資家は、日本株が割安放置と言うことは知っていたが、買う切っ掛けが無いから見送っていたのだろう。そこにバフェットの一言が火をつけたのだと思う。

では具体的は数字を見てみよう。

今回の決算集計では、大方の予想を裏切り24年も微増益となり、減益予想は今のところは回避された。ただそれだけで株が数千円も上昇する材料にはなりにくいので、過去の利益水準と比較してみた。

例えば、アベノミクス初期には、民主党政権時代の6重苦放置もあって225銘柄の一株益は565円まで減る。それがアベノミクスのおかげで直近2180円まで増えたので、上場企業の一株益は3.858倍に増えたことになる。アベノミクス相場直前の安値を8490円とすれば、利益増加分の3.858倍を掛けた値が計算値となる。なんと日経平均は32757円だ。

こんな単純でいいの?? と思えるが、誰も予想していなかった32000円、33000円が目前だ。この切っ掛けを作ったのがバフェット様。彼のおかげで日本国民の財産は株だけでも100兆円増えた。

さて原稿を書いていると、4万円も5万円もあり得る??となりそうなので、現実の数字を見てみた。

225先物週足(直近)
銘柄選択

上図は直近のテクニカルだ。週足で9週のサイコロとRSIを表示しているが、なんと100%。これ以上ないところまで上昇中だ。

単純に言えば、この先は一段高も否定しないがそれは短期で終わり、一旦は調整を挟むはず、こう見るのが平均的だろう。

少なくとも9週サイコロ100%で買い、こういう解説は聞いたことが無いしそういう解説本もまずないと思うからだ。

ただ今回の外国人の買い方が、小泉改革時やアベノミクス初期に見られた猛烈な買い方に似ているという指摘がある。最初の2~3ヶ月の買い越し額が両局面と同じかそれを上回る買い越しだからだ。

そこで当時のチャート見てみよう。図1と図2である。

225先物週足(小泉改革時)
銘柄選択

225先物週足(アベノミクス初期)
銘柄選択

ともに外国人の猛烈な買いで、9週サイコロやRSIは過熱ゾーンまで上昇するが、天井を打つことはなく、さらに上昇している。

期間的には10~20%急激な調整を何度と挟むが、最終的には3から4年の上昇が見られる。今の株価水準で20%調整を挟むと6000円~7000円も日経は急落するので、買い方は無傷ではいられないが、そこを堪えられれば大きな利益があったはずだ。

残念ながらこの相場がバブル崩壊後の高値更新となるかどうかは分からない。言えることは週足テクニカルが100%まで上昇し1月安値を起点とする上昇なら目先天井近し。

3月末安値を起点にするなら、押し目を待つ買い方の買い場は来ずにまだ上昇は継続、こうなる。

日本株弱気がはまっている1357日経ダブル。株が下がれば儲かるETFだが、信用買いが2億株もある。そのすべてが大幅ヤラレ。週明けにも日経大幅高にビビり、一段の投げで買い残が減れば天井形成の条件の一つが。

さらに株が上がれば儲かるETF、日経レバ1570。これは逆日歩まで付き買いよりも売りが多く、同じく週開けの大幅高で売りの投げで売り残が減り、逆に買い残が増えるようなら、これも天井形成の条件となる。

この上昇相場に疑問を持ち売っていた向きの投げと、「ド転買い」へとスタンス変更が始まるようなら短期天井のリスクに警戒。株達コード1357と1570の信用残は要確認。

ただ、異次元の企業改革や株主還元が進むなら、この30年で唯一残念だった国の株にも日が当たる、最終出遅れ相場がやって来るかも知れない。

コロナではワクチン一つも作れず、アメリカ様から買うだけ。ウクライナを見れば「核」が無いと攻められ、国民は虐殺される。それを止める国も国際機関もどこにもない。北朝鮮の核開発はまさに現実。核を持つ常任理事国は侵略されず、核のないウクライナは無法者にやりたい放題。この現実を見ているから核開発を止めないのだ。

「外交努力」でとか言うお気楽な方々とは違い、北の将軍様は、「日本のきれいごと大好きさん」よりもよほど現実主義である。

専守防衛も結構だし憲法9条を守れも結構だが、結局は競争に勝って技術や金が無いと、国防予算もその技術も得られず、少子化対策や福祉へ回すお金もない、単なる貧乏国に成り下がるしかない。ここに気付いて「勝つまで頑張る国」を再編成する事が出来れば、手厚い福祉も可能だろうし、日本製品の復活はそこで働く国民の給与増加にも寄与する。そうなれば子供を作る夫婦も増え少子化のスピードは緩む。国が豊になれば株も上昇し国民年金の運用益はさらに増え、年金の将来不安も解消の方向となり、さらに消費にも少子化にもプラスの影響が出て国家財政にもゆとりができ、一段と国の経済環境は良い方向に向く。この良い循環が1回転2回転3回転と重ねるごとに日本経済はより堅固な国になり、株をはじめとする国富は増える。そうなれば日経平均4万円どころか10万円だってと妄想し始める。

30年前TOPIXと同じ程度だったブラジル株、30年たって日本のTOPIXは2倍だが、ブラジル株は110000ポイントを超え100倍だ。

理想も結構だが、*理想で明日の夢は買えるが、明日の飯は買えない*。だれか有名な方の一言だ。このことに気付き、日本人のやる気と現実直視、ここに期待するし外国人も見ていると思う。

あなた方は「西側」ですか、それとも「あちら側」ですか。当然、西側のマネーは同盟国に流れるはずで、日本が西側の一員と言うことを多方面で示す時期にあると思う。

金がないのに、技術がないのに日本を中国から守れとか、いつまで特別扱いを願うのか。自衛隊は違憲と言いながら災害救助など危ない時に真っ先に使う連中。自分で行けばと思うが。

バフェット効果の冷めないうちに、日本も変われると言うことを見せられたなら、待ち続けた30年間も無駄ではなかったとなるだろう。

もちろん理想や綺麗ごとが大好きで、そこから抜け出せなければ少子化からも抜け出せず、資産運用先としては最悪の国となるだけだが。

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