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先週はギリシャと上海に世界中が振り回された。だが、ひとまず落ち着く気配見せたことで世界の株式市場も反発の兆しを見せている。先週は2日間で瞬間1200円も急落した日経平均だが、19115円安値から急速に戻しており、今週は2万円大台を回復して始まりそうだ。
ただし、チャートはこれまでの上昇基調に「亀裂」を入れた。日本株は昨年11月から続く上昇トレンドに「陰転」を暗示、欧米株に至ってはリーマン後の09年からの上昇トレンドに亀裂を入れた訳であるから、ここから明確な回復を見せないと先行き不安が募ることになる。「崩れたあとの戻り」としてまだ試練が続くだろうし、またボラティリティを高めたことからしばらく乱高下の展開が続くことは想定しておきたい。
同時株高で順調に高値を追ってきた世界マーケットだが、7月になり雲行きが俄然怪しくなってきた。FT、DAXなど欧州株にNYダウ、ナスダックの米国株も日足が陰転、そして上海、深せんの中国株暴落が追い討ちとなり、日経平均は下値を支えてきた日足の雲や13週線(20100円処)を明確に割り込み、日本株も「陰転」を暗示。世界に溢れているマネーゲームの資金がリスクオフへ逆流しかねず、先行き慎重な対応が求められる。
目先的には、ギリシャの改革受け入れや、なりふり構わぬ中国当局の株価対策により株価は反発するだろうが、我がまま放題のギリシャがすんなり決着するとも思えず、またバブル崩壊で投資家が膨大な損失抱えた中国は、上場株式の半数を「売買停止」にするなど市場としてあるまじき対応をとり禍根を残すことになる。
DAX日足
日経平均週足
日経平均は7/9に19115円まで急落、日足の一目は雲を割り込み遅行線の雲下限まで突っ込んだ。ここは次なる下値の節目で、乱高下しやすいSQ前で、多くの銘柄が「タグリ足」を見せたこともあり、一時的に反発しておかしくないところ。だが、割り込んだ75日線(20021円)や、これまで抵抗帯であった雲上限(20220円近辺)、13週線(20100円処)などが当面の戻りの節となる。それらをクリアーしないかぎり「好転」の兆しも出てこない。
日経平均日足
秋に「郵政上場」を控えることから政策的に「株高」も期待されるが、「上海ショック」で高値圏に亀裂入れた経緯は07年相場と酷似する。海外が崩れてしまえば先週のように日本株もツレ安免れず。厳しい暑さになってきた日本。ここは少し慎重に「戻りウリ」、キャッシュポジションを高めて様子見スタンスで対応してはどうだろうか。
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