富田のトレチャ 2015年08月24日

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上昇も強気もジ・エンド

「3日新甫」の本領発揮である。20500円処で煮詰まっていた日経平均。そこからの放れがポイントになると見ていたが、19日の331円安で75日線を割り込むと、20日に189円安、21日に597円安と下げを加速、2万円大台を一気に割り込む。そして、21日の海外はNYダウが530ドル下落するなどさらに大波乱となり、CME日経平均先物は18970円と19000円をも割った。

同時株安の流れの中、PKOで高値圏を維持していた日本株だが、海外マーットが下げ強めればさすがに抗しきれない。そして、厳しくなったのが3兆4000億円と高水準の信用買い残で、総ヤラレになった。今後は追証発生に伴う投げ売りが頻繁に出てこよう。
買い方はこれまで「押し目買い、押し目買い」のスタンスで成功を収めてきたが、その蓄えを一気に吐き出す懸念が出てきた。高値圏を長きにわたり無理に維持したPKOがアダになった格好だが、そもそもいつまでもマーケットをコントール出来るなどと思い上がった政府・日銀の発想が大間違い。化けの皮が剥がされたとき、その反動は小さくなく、それは2007年もそうであった。

日経平均日足一目
日経平均日足一目

日経平均週足
日経平均週足

さらに今回心配されるのは、欧米株が6年半もの長きにわたりマネ-バブルで過去最高値を大きく更新させたこと。リーマンショックの反省もなく、過剰流動性相場を長きにわたり放置してきたFRBだが、ここでも「思い上がり」の反動が懸念される。
NYダウやFT、DAX、さらにアジア、南米など株価は軒並み「陰転」しており、厳しい同時株安に突入すること否定出ない。グリ-ンスパンがFRB議長に就任してブラックマンデーが、バーナンキが就任してサブプライム&リーマンショックが起きた。こんどはイエレン議長が手腕を試される局面となろう。

NYダウ月足
NYダウ月足

相場の最大の材料は「需給」。そして日本株は外国人次第、NY次第。この基本感は何年たっても変わらない。それを忘れて「あの80年代」を彷彿するかのような観測も目立っていたが、チャートが崩れればそれも「ジ・エンド」。あとはとにかくチャートの流れに従うだけ。目先、大きく突っ込み「ブラックマンデー」のようになれば一旦下げ止まる可能性あるが、そのあとすぐ大きく回復できるとは限らない。

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