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やはり酷似「2007年相場」
パリで同時テロ。今週のマーケットはそれを受けて始まる。
日経平均は、テクニカルが過熱を帯びる中を12日まで7連騰で19725円高値を付け、夏場の調整4045円幅に対し69.8%戻している。11/4に国策でもある「郵政3社」の上場を終えたが、10月からの地合い作りの余韻がまだ続いている。
日経平均日足
日経平均週足
一方、世界のカギを握るNYダウは11/3高値17977ドルと上伸、夏場の下げ幅2767ドルをほぼ取り戻した(94%戻し)。だが、3月18288ドル、5月18351ドル、7月18137ドルとNYダウの18000ドル台は「三尊天井」の厚い節で、その節目に差し掛かって直近13日は17238ドルまで3日続落、週足は長い陰線を引いた。
NYダウ日足
原油(WTI)が40ドル近辺に軟調で、国際商品市況(CRB)が13年ぶり安値を更新した。中国経済の先行き懸念や中東の増産観測などが背景にあるが、原油や商品市況の軟化は(1)新興国の経済や通過に不安、(2)オイルマネーの還流(先進国の株式から撤退)、などの懸念につながりかねない。
商品市況週足
こうした状況下で「パリ同時テロ」が発生した。世界のマーケットは一旦「リスクオフ」に傾注するのは避けられない。
こうなると、チャートでは懸念していた「2007年後半」を改めて意識することになる。サブプライムショックの入口になった07年後半だが、それまでFRBグリーンスパン議長の政策により過剰流動性相場が長期にわたり演じられていたが、夏場の調整で週足に亀裂入れ、10月にアヤ戻り見せたものの頭を叩かれると年末にかけ本格調整「二段下げ」に向かった。
2007年時の日経平均週足
そしていま、NYダウは未曾有の過剰流動性を背景に6年半に及び上昇相場を演じてきて、夏場に亀裂入れ、そして11/3にアヤ戻しの頭を打ち、先週週足が長い陰線を入れた。チャートの世界で「歴史は繰り返す」こと珍しくない。つまり、上昇も下落(終焉)も投資家の心理が大きく係ることからチャートが似てくる。そうであれば、ここから年末に向けて細心の注意が求められるだろう。
テクニカルの過熱を無視して上げてきた日本株。年金買いや日銀ETF買い(PKO)、そしてショートカバー(買い戻し)が背景にあった。だが、10月から日足の下値抵抗線を割り込めば、過熱無視の反動、しっぺ返しが一気に出るだろう。そうなると今度は「トレンド好転まで買えない地合い」が続くことになる。
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