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師走波乱も、日銀控える
「師走の波乱」「師走の落とし穴」が現実味を帯びてきた。
先週末の米国市場、NYダウが309ドル下げ、ドル円(円高)は120.80円に進展、CME日経平均先物は18680円(大証比530円安)と大幅安で終えた。WTI(原油)は6日続落で35ドル台と7年ぶり安値となり、CRB(商品)指数は174ドル台に崩れ2001年の最安値(183.52)を割った。
CRB月足
株価は日米欧とも日足が「陰転」し、同時株安が否定できない状況だ。今週は16日のFOMCが焦点で「米国利上げ」が確実視されている。証券関係者から「織り込み済み」という楽観が多く出ていたが、世界のマーケットではマネーの移動がいま本格化してきたように思える。なにしろ、まる7年に及ぶ超過剰流動性の終焉であり、世界中に溢れ出したドルマネーの流れがどう変わり、それがどう影響するか、それは誰も経験したことなく簡単に分かるものではない。
その答えは結果を待つしかなくマーケットに聞くしかない。だが、直近の原油や商品(CRB)市場は大きく下げてなお止まらない。オイルマネーやSWF(政府系ファンド)がリスクオフに傾注していると思われるが、これが資源国や新興国、そして株式市場に影響及ぼすことが懸念される。
さて、日経平均のチャートだが、今回は先物を参照したい。夜間取引で一時18580円まで下げ、18650円で引けた。日足チャートは抵抗線や200日線を大きく割り込み、75日線とクロスする一目均衡表の雲に差し掛かった。
先物日足
先物日足一目
週足チャートは52週線と13週線を一気に割り込み、雲に入ってきた。トレンドは日足、週足とも軟化が明白で、週足はRCI(9週、13週線)が調子入り、波動はサブプライムショック序盤の2007年後半と似たままだ。
先物週足
2007年先物週足
こうした状況では注意を要すほかない。ただし、ボラティリティ(変動率)の上昇もあり日々の相場は乱高下しやすい。今週は週足の変化日で、週末18日に日銀政策決定会合がある。日銀はそこでETFなど来年の資産買い取り(QE3)に言及することも想定される。そうなれば「掉尾の一振」に向け大きく切り返すだろう。
来年のことはともかく、突っ込んで始まる今週は「どこでコツンと反転するか」、それを探るのも一策となろう。
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