富田のトレチャ 2015年12月21日

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目先乱高下も、大勢基調忘れず

わずか5分間に600円幅の上げ下げ。乱高下がまだ続くと想定してはいたが、18日の日銀決定会合あとの乱高下は自分の記憶にない激しさだった。
案の定、日銀は18日の会合で来年の方針を口にした。「QE3」への期待と失望が乱高下のキカッケになったが、短時間の乱高下を主導したの「先物」であり、東証が取り入れたアルゴリズムが主因であったことは間違いない。

さて、その乱高下で日経平均は一時19869円高値(515円高)を付け、25日線や200日線を大きく突破した。だが、ボリンジャーバンド「+1」(19921円)や12/1戻り高値20012円には届かずに失速、終わってみれば366円安18986円でボリンジャーバンド「-1」(19146円)を下回った。一目均衡表の雲(18962-18313円)と遅行線の雲(18923-17841円)をかろうじて維持したが、18日夜間のCME先物が18780円で終えており、今週は雲突入も覚悟することになる。

日経平均週足
日経平均週足

このように師走は波乱になったが、新年を前に踏まえておくべきことは週足チャートが「陰転」していることだ。夏場のWトップから8月の急落で「陰転」が確定し、12月の上昇も夏場のWトップに届かずプルバック(アヤ戻り)となり、そして直近の波乱で再び調整リスクを高め、週足は「二段下げ」へのリスクを抱えている。

目先の上げ下げに一喜一憂していると、こうした大勢トレンド(基本的流れ)を忘れ、無理な売買にのめり込んでしまうだろう。「2016申年は株価が上がる年」と証券会社はバラ色観測並べ、掉尾の一振、新春・新年相場へと期待膨らませるところだが、15年1月も調整から始まったように新春相場は調整から始まること珍しくない。

NYダウ週足
NYダウ週足

2007年時の日経平均週足
2007年時の日経平均週足

そしてカギ握るNYダウもチャートは日経平均とほぼ同じで、週足は「陰転中」。そして、この週足の流れが「2007年」と似ているのは、これまでにも申し上げてきたこと。原油や商品(CRB)市場も下落基調収まらず、世界はマネーバブルあとのリスクを孕んでいることも忘れてならないだろう。
相場はチャンスの時に動くもの。時には「休むも相場」。

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