富田のトレチャ 2016年03月07日

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抵抗線上放れたが、乱高下想定

日経平均は3/2に661円高(16746円)と急伸し、年初来の上値抵抗線を上抜けると3/4まで4日続伸、17000円大台を回復した。懸念要因であった原油(WTI)が35ドル台を回復、カギ握るNYダウは4日続伸で17000ドルを回復。そして為替(ドル円)も114円台に戻すなど外部市場の回復が日本株を牽引した。

ドル円日足
ドル円日足

2/12の「アベクロ会談」で底打ち、2/26のG20から同時株高になるなど、政策的な思惑(介入)があったこと否めず、またテクニカル的に日経平均は上下の抵抗線に挟まれ三角保ち合いから上放れとなり上昇に弾み付けた。また、3月メジャーSQの3/11が迫っており、先物では利の乗っていた売り方(ショート)が利食いの買い戻し(ショートカバー)に走りやすいタイミングでもあっただろう。

さて問題は、この上放れが本格上昇につながるか否かだが、昨年夏までの上昇基調から大きく崩れた相場でもあり、いまの段階では「あくまでもアヤ戻し」と考える。
日足は25日線や年初からの抵抗線を上抜き、週足も遅行線が雲下限(16725円)を上抜き雲(今週16831~17839円)に突入した。これで当面の好転と「彼岸底」懸念が遠のいたことになるが、ただチャートにはまだ多くの節が待ち構えている。

日経平均日足
日経平均日足

日経平均週足
日経平均週足

日足ではボリンジャー「+1」(17137円)や雲(17263~18014円)、75日線(17800円台)などが、週足では13週線(今週17250円処)や雲下限(17740円)など、17000円台に多くのポイントがある。メジャーSQを挟んでこの厚い節17000円台を一気に抜くとは思えない。

NYダウ週足
NYダウ週足

NYダウは雇用統計を通過して17000ドルを回復したが、チャートは17000ドル台が戻りの節目。ドル円チャートはまだもみ合いにあり好転の兆しすら出ていない。原油(WTI)や商品(CRB)もチャートは上値抵抗線に近付いたところで、正念場はここから。つまり、年初から波乱に陥った世界マーケット。一旦は「アヤ戻し」に転じたものの、本格回復には待ち構える節を抜かねばならず、それを確認するまでは先行き懸念も燻ぶり続ける。

日経平均は日足が好転したほか、10日のECB理事会、来週の日銀会合、FOMCと注目イベント続き、3月後半は期末も意識されることから、すぐに大きく崩れることも想定しづらく、目先は乱高下の展開を想定しておく。

日足には下値抵抗線が16300円処にある。それを割るならスタンスも変わるが、その上にあるうちは「流れに従い」「買い」のスタンスとなる。ただ、乱高下が想定されることから対応は「押し目買い」となろう。タイムスケジュールや外部市場など慌ただしい地合いが続くだろうが、日経平均の日足抵抗線にまずは従うこと。

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