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カギ握るNY
先週の日経平均はなんと5日続伸、16497円で終えた。カギ握るNYダウが昨年5月高値18351ドルをあっさり突破、18557ドルまで過去最高値を更新した。ドル円も106円台へ円安を加速させ、こうなると日経平均も25日平均線に続き、厚い節目の75日線(16327円)や26週線(16396円)を突破した。
NYダウ日足
日経平均日足
日銀緩和や景気対策など政策期待が高まっているが、ジャスダックやマザーズの戻りがいま一つであるから、日本株の上昇は主力株主導の上昇であり、任天堂やファーストリテイがストップ高するなど値がさ主力への集中物色も目についた。その背景にはカラカラになっていた裁定買い残の存在がある。裁定買い残は昨年12月4日時点で3兆6307億円あったが、そこから半年余りで5772億円(7/8現在)まで84%も整理を進め8年ぶり低水準になっていた。そうした状況で株価反転となれば一転、裁定買いが大きく入ったことは容易に想定される。
裁定買い残
相場の最大の要因は需給であるから、カラカラになった裁定買い残は注目ポイントである。その買い残の余力は2兆円、3兆円と小さくないだけに、日経平均は先物主導で上昇基調をしばらく続けてもおかしくない。とはいえ、「裁定残は先物次第、先物は外国人次第、外国人はNY次第」と言えることから、日本株のここからの動向はやはり「NY次第」となるのではないか。
過去最高値を更新するNYダウは確かに強く、その流れにいま逆らう必要はない。ただ、6/24の英国ショックで「陰転」を示唆した世界の株式市場だが、先週はNY主導で同時株高となった。英国ショックを機に「日米欧当局が協調介入」に動いたとも言える。見方によっては「マネーバブルの延長」でもあり、この先どこかで見せる「NYダウの頭打ち」には注意しておきたい。
ちなみに、6月に「陰転」」を示唆したNYダウ。そこから切り返して一気の高値更新となった流れは、買い戻しや新規買いなどが集中した証しで、人気(買い)が片寄った「快晴状態」は遠からず「雲が張り出してくる」ことも想定される。こうした「陰転→一転高値更新」という流れは過去にもよくあるケースで、そのあと高値で頭打ちとなると「反動安」が小さくないことも珍しくない。
暑い夏となってきたが、サマーラリーがどこまで続くのか「NY」を注視しておきたい。日経平均は値がさ株への「一極集中」が気がかりなほか、7月第4週(7/25~7/29)が週足の重要変化日で、そこでFOMC(7/27)と日銀会合(7/29)があるので7月下旬が1つポイントになりやすい。
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