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熱い相場だが、冷静姿勢は続ける
「相場も夏休み」というイメージを描いていた8月だが、日経平均は12日に16943円まで上げ7/21高値16938円を更新、日足が好転した。25日線、75日線が(16300円台で)ゴールデンクロスし、一目均衡表は「三役好転」を果たす。
背景には米国株の高値更新と日銀決定会合のETF買い増し、それをキッカケとした外国人の買い(ショートカバー)があるとみている。要因はともかく日足が上昇基調を確認したなら「流れに従う」のが相場の定石だが、今後は上値メドの模索と、基調が変わる「下値ポイント」を注視して行くことになる。
上値メドとしては、まず200日線(17216円)や5/31高値(17251円)の17250円処、そのあと52週線17390円、4月高値17613円となる。一方、基調崩れる下値ポイントはゴールデンクロスの25日線、75日線で、そこには8/5の下窓16355円と短期下値抵抗線も重なることから16300円台がポイントとなる。その下値ポイントを維持しているうちは上値模索の展開が続くことになる。
日経平均日足
日経平均週足
ただ、不安要素が消え去った訳ではない。NYダウは高値を更新するたびに「売りが出て高値を示現」というアノマリーがあるほか、FRBが利上げに動く中でS&P、ナスダックの3指数がそろって高値更新というのも「高値形成局面」と見ることができる。
NYダウ週足
日銀はETF購入額を6兆円に増額し、8/4、8/10と707億円の買いに動きだした。この巨額のPKO(買い支え)により日本株は「下げても後場に切り返す」「下値は限られる」との空気が強まっている。裁定買い残が6452億円と低水準にあるほか、先物の建玉でもクレディスイス、ソシエテ、JPモルガンなど売り建て常連組の売り縮小(ショートカバー)が8月になり目だってきた。だが、買い戻し(ショートカバー)を終えたあとに買いを継続するかは不明で、買い戻し一巡のあと仕切り直しとして「売り再開」となるケースは珍しくない。
9月メジャーSQ(9/9)が近付いてきたことや、欧米株の上伸が外国人の買いを促している可能性もあり、外国人買いやショートカバーの動きは間もなく転機訪れる可能性あることは頭に入れておきたい。
日足の好転もあり買い主体のスタンスを続けるが、個人的に日経平均はまだ往来圏の動きと感じており、この高値圏では小口買いで様子見のスタンスを続けておく。今週8月第3週は変化日が集中するほか、短期テクニカルが高値圏に入ってくる。
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