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日米ともサプライズは期待薄
今週は、21日の日銀金融政策決定会合とFOMCがポイントになるのは言うまでもない。2年前(2014年)10月の日銀会合で黒田総裁は「QE2」を打ち出し、崩れかけていた日経平均を大きく上伸させた。今月も相場が軟調なだけに黒田マジックが炸裂するか注目のところだが、先週すでに「マイナス金利の深堀り、長短金利差拡大」が報じられたことで、それを上回るような“サプライズ”が果たして打てるだろうか。サプライズがなければ“失望”招く可能性否めない。
チャート的に注視したいのは世界の屋台骨「NYダウ」だ。9/9の394ドル安で日足が「陰転」している。並の局面の陰転と異なり、7年半にわたるマネーバブルで過去最高値を付けたあとの陰転であるから、注意が必要だ。
先週のNYは、出てくる経済指標により乱高下。9月の利上げ観測が遠くと上昇し、利上げ観測が強まると下落した。だが、日足は8/2安値18247ドルや75日線(18217ドル)を割り込み、上昇は割り込んだ75日線水準のアヤ戻りにとどまり、日足の「陰転状況」が続いている。この先、日足が二段下げに動けばまず200日線(17574ドル)や6月安値17063ドル方向の模索となる。
NYダウ日足
FOMC後のNYの動向が注視されるが、「いいとこ取り」のイエレンマジックが続くなら好転に向かう可能性ある。だが、日足の陰転は「イエレンマジックが効かなくなる」ことを示唆している可能性もある。ちなみに、基調好転には9/6高値18551ドル突破が必要で、その前に上から降りてくる25日線(18422ドル)を抜かなければならない。
そして日経平均だが、先週は安値16359円をつけ、75日線や26週線に到達した。9/5高値から日足9本目(変化日)の安値でもあり、ここが当面の安値になる可能性ある。だが、日足チャートは抵抗線や25日線をすでに割り込み「陰転」を示唆しており、このまま雲上16228円や遅行線雲上16238円を試しに行く懸念も燻ぶる。
日経平均日足
逆に、日足が好転するには上から降りてくる200日線(16901円)や9/5高値17156円を突破しなければならない。
2015年日経平均日足
そして10月は「3日新甫」。「2日新甫、3日新甫」が荒れるとは限らず、データ的に「荒れない」と指摘する向きもいる。だが、日足の崩れ方が似ている「昨年8月」、「2000年4月」はともに「3日新甫」だった。データでは説明できないアノマリー(ジンクス)ではあるが、高値圏で雲行き怪しいときの「新甫」は、備えあれば憂いなし。強気になるのは日米とも日足の好転を確認してからでも遅くない。
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