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見放されてきた中小型株
21日の日米金融イベントが終わった。どちらもサプライズを打ち出すのは難しいと思っていたが、量から長短金利操作にシフトした日銀、そして現状維持を決めたFRBとも、事前の市場の想定シナリオだった。ただ、当局の決定にサプライズはなかったもものの、米国株は「低金利延長」を好感して大きく上伸、ナスダックは過去最高値を更新した。
日本も日経平均が一時16822円まで上げ、ドル円も一時102.78円まで円安に振れた。だが、21日の夜間、海外で為替が100円寸前まで円高となり、日経平均先物は一時16430円(大証比300円安)まで下げる場面があった。「日銀の政策は不十分」とのコメントが取り上げられたが、FRBの利上げが見送られたことで一時的に「ドル売り-円買い」の仕掛けが出たのだろう。ただ、FT指数やDAXが上昇しており、日本株の動きの鈍さは「同時株高の仲間外れ」「通貨安競争の負け組」といった寂しさを感じさせる。
裁定買い残月足
メジャーSQだった9/9の出来高がわずか17億株、2兆1660億円と寂しかった。裁定買い残が22720万株(3385億円)まで急激に減少するなど、このところの日本株には少し異変も感じられる。先物建て玉も9月SQを機に手を空かす外国証券が少なくない。日銀のETF購入や国債コントロールなど市場への異常介入でマーケットから躍動感が失せているせいかなのか。あるいは、大証が7月に導入した「新J-GATE」稼働で、苦境にあった国内の中小証券の自己売買部門はトドメを刺されたと聞くが、と同時に裁定取引も衰退を加速しているらしい。日本株離れで「所さん、大変ですよ!」とならないこと願いたい。
日経平均週足
日経平均日足
日経平均はしばらくもみ合いか。為替やNYダウの動向により振らされるだろうが、75日線と52週線、日足の雲と週足の雲、これらを上下のメヤスに16250~17250円ゾーンでの上げ下げを想定しておく。RCIやRSIもいまはマチマチ。臨時国会が始まり財政に期待したいところだが、アベノミクスの鮮度低下否めず。ただ、日銀がETF購入をTOPIX型にシフトしたのは好感される。見放されてきた中小型に出番が巡ってくる可能性あり、個人投資家にとっては小さいながらも久しぶりの好材料。小口で欲張らずに遊んでいたい。
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