富田のトレチャ 2016年11月21日

★富田隆弥氏の相場解説ブログや注目株や日経平均解説など充実コンテンツ満載のPDF版「月刊トレチャ」詳細・お申し込みについてはこちら↓
→富田隆弥のチャートクラブ blank

そろそろ

トランプフィーバーと円安を追い風に日経平均は18000円台にタッチしてきた。そこでまず日経平均の週足をみておこう。4月高値17613円を突破したことで2月と6月のW底が確定し、波動が目指す高値は昨年12/1高値20012円となる。だが、その前に節になるのは「年初来高値」の1/4終値18450円(ザラバ高値18951円)だろう。次に週足の日柄で、今週(11/21~25)は9/27安値から9週目、8/4安値から17週目、5/31高値から26週目と、変化日が重なる。

日経平均週足
日経平均週足

 次に日足をみると、直近の急伸で窓を2つ空けている。RCIはそろそろ高値圏に集まり、騰落レシオ(25日線)は134%まで上げている。波動ではトランプショックの11/9安値16111円まで1362円幅突っ込んだが、その倍返し(V波)は18835円と1/4の節目と重なる。

日経平均日足
日経平均日足

 つまり、強い上昇で「年初来高値」を目指す流れにあるものの、18000円台に乗せ、テクニカルが過熱を帯び、強気に傾きやすい師走を控え、そこで変化日を迎えることを考慮すると、チャート的には「そろそろ」という見方も必要ではないだろうか。

 為替(ドル円)も日米金利差を背景に円安を111円に迫るところまで加速させている。週足はチャート好転から2月高値121円台を目指す流れにあるが、その前に一目均衡表の雲111.93~115.92円(今週)に近付いている。

ドル円週足
ドル円週足

そして、トレンプ効果により米国で金利が上昇している。FRBの12月利上げがほぼ確実で、日本の10年物国債もプラスに浮上した。だが、それに伴い日本国債(先物)は150.3円まで下落している。国債の週足は3ヶ月の踊り場から下放れ、52週線を割り込み「陰転」を明確にする。この債券下落は世界のマネーが大きく動いていることの証しで、新興国にとって懸念要因であるほか、日本でも市場混乱の予兆になることが少なくない。

国債週足
国債週足

政界中を驚かせたトランプ勝利。マーケットは「いいとこ取り」「先食い」で勢い良く反応したが、2週間が経過し市場はそろそろ頭を冷やす可能性ある。昨年の師走のこともあり、円安頼みで加速した日本株は「そろそろ」という見方も必要だろう。

→富田のトレチャ:目次へ

(PDF版「月刊トレチャ」富田氏の注目株解説などをさらに詳しくご覧いただけます!  詳細・お申し込みはコチラ