富田のトレチャ 2018年03月26日

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NY下放れ、同時株安

世界の屋台骨であるNYダウが崩れ、日経平均、欧州株を含め同時株安の様相を強めてきた。トランプリスク(貿易戦争懸念)、FRB利上げ、安倍内閣の支持率急低下など理由はいろいろあるだろうが、森羅万象を映す株価(チャート)の崩れは警戒せねばならない。
日経平均は23日に1000円急落し20617円引け。日足は200日線に続き二点底だった20900円台を割り込み、二段下げに突入。週足も52週線(20927円)を割り込み、調整入りを暗示した。1月高値24129円→2月安値20950円→戻り高値22502円で算出する二段下げメドはN波19323円、V波19398円となる。

日経平均日足
日経平均日足

日経平均週足
日経平均週足

三角を煮詰めていたNYダウだが、19日の335ドル安で下放れを示唆、そして22日724ドル安、23日424ドル安と下げを加速させた。教科書の如く「放れに従え」となった。目先は200日線と2/9安値の「23360ドル」近辺が意識されるが、52週線の22879ドルや二段下げN波の22544ドル(V波20920ドル)を模索しに行くことも否定できない。

NYダウ日足
NYダウ日足

NYダウ月足
NYダウ月足

そして為替(ドル円)は105円台の節を割り込み104円台に突入。2年前に下値を固めた100円前後を試しに行く可能性が出てきた。この円高は世界マーケットの「リスクオフ」を表しているとも言える。
個人投資家の信用買い残は3兆6000億円と引き続き高水準にある。春爛漫、配当取りの期末、ニューマネー流入期待の4月新年度を控えて株価は上がりやすい時期でもあり、2月以降も押し目買いが続いた。だが、NYが崩れれば株高期待はむなしく消え去り、高水準の信用買い残が取り残された。日本株は外国人次第、NY次第。
外国人の売り越しが10週連続になった。強気の市場関係者からは「これ以上、売りは続かない」との声も出ているが、その見方は怪しい。アベノミクス以降の外国人動向は現物だけで依然11兆円買い越している。それに先物もあるので売り玉はいくらでもある。
相場は需給が最大の材料であるから、流れに従うのが基本。チャートが崩れたことでトランプ相場やアベノミクス相場の終焉、そして10年に及ぶ超過剰流動性相場の終焉につながるようなリスクもあるだけに、安易な強気は控えたい。

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