富田のトレチャ 2018年08月13日

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下放れに従う

10日、日経平均は300円安22298円と急落。下値を支えていた25日線、75日線、200日線の集まる22350円処を割り込み、焦点であったもみ合いを下放れた。ミニSQ明けで、お盆と日米貿易交渉を控えた週末で売りが出やすかった点を考慮する必要もあるだろうが、チャートでは「流れに従う」のが基本。しばらくスタンスは慎重に傾けるべきで、強気になるのは好転を確認する8/8の上ヒゲ高値「22800円」更新、あるいはセーリングクライマックスになるような突っ込みを待つことになる。

日経平均日足
日経平均日足

次の下値メドは「22000円」。日足一目均衡表の先行スパン(22256~22066円)に差し掛かったほか、3月安値から引く下値抵抗線と週足52週線が21980円処にあり、下値ポイントとして意識される。

日経平均日足一目
日経平均日足一目

この22000円をもし割り込むと「ドボン(本格調整)」を覚悟しなければならない。リーマンショックから間もなく10年だが、その前兆であったサブプライムショックは11年前の8月から始まった。過去最高値圏にある米国株(NYダウ、ナスダック)は月足で大きく三段上げで仕上げ局面に入っており、ここからの調整には要注意。独DAXの日足も調整懸念を漂わし、日本では国債が急落(長期金利が上昇)しているのも懸念要因だけに、この8月は安易な楽観は控え慎重を期しておきたい。

NYダウ日足
NYダウ日足

ただし、大きく崩れずに回復する要因もある。為替(ドル円)がネックラインの110円台でしっかりしているほか、米中貿易摩擦で売られた中国・上海株が2691-2692ポイントで二点底を試す動きにある。こうしたポイントを割り込むなら「ドボン」になるが、うまく「円安」「上海株上昇」としっかりした展開になるなら日本株にも回復期待が出てこよう。

上海日足
上海日足

回復期待もあれば崩れ懸念もある、それがいまの日本株の位置付けだ。ただ日足が「下放れ」、サブプライム再演リスクのある8月だけに、まず慎重・様子見姿勢が必要だろう。

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