富田のトレチャ 2018年09月10日

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下値正念場

8連騰に伴うスピード調整は当然、75日線や200日線など平均線の集まる22400円台までは調整想定範囲で、20日の自民党総裁選にかけて日経平均は忖度相場として切り返すと見ていた。ところが、9月になり台風21号、そして北海道地震と大きな災害が続いてしまい日本全体に自粛ムードが覆ってしまった。
日経平均は9月7日まで6日続落、22172円まで調整を深め、日足は各平均線を軒並み割り込み、一目均衡表の雲下限やボリンジャーバンド-1σに抵触、週足は26週線や52週線、三角保ち合いの下限に抵触した。つまり、チャートは下値の大きなポイントに差し掛かり、大きな正念場を迎えたことになる。

日経平均日足
日経平均日足

日経平均週足
日経平均週足

日本には自然災害を克服する底力があり、間違いなく復興すると信じている。空売り比率が45%台と高水準にあり、裁定買い残も1兆5000億円と整理を進めており、日経平均は下値ポイントから反発する可能性は十分にある。とはいえ、深い爪痕を残した二つの自然災害で一時的にせよ日本経済はダメージを受けたこと否めない。1995年の阪神淡路大震災や2011年の東日本大震災のときがそうであったように、敏感な投資マネー(外国人投資家)はそうしたリスクに敬遠する傾向にある。そうした傾向を考慮すると、日経平均はこの先下値ポイントを割り込むこと否定できないだろう。

TOPIX日足
TOPIX日足

9月の株式市場は世界的に「調整しやすい月」との経験則がある。ヘッジファンドの決算月が近付くことも関係あるだろう。今年は米国中間選挙に伴いトランプの強権発動が目立つが、その影響が新興国に出始め、中国や日本への影響も無視できなくなっている。そして、世界のマネーを引き寄せているナスダック(FANGプラス)も9月になり4日続落と雲行きが怪しくなっている。

ナスダック日足
ナスダック日足

ナスダックは7902ポイントで日足は下値抵抗線に抵触したところで上昇基調を維持しているが、この10年間の上げ方は尋常でないだけに下値抵抗線への注視は常に必要で、もし割り込むなら「要警戒」となり日本株にも影響することになる。
この9月は「荒れる3日新甫」でもある。日米とも下値の正念場としてここは慎重に見ておくことも必要だろう。

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