富田のトレチャ 2018年11月12日

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師走、アヤ戻りの可能性も

軟調な地合いが続いている。日経平均は21700円前後でもたつくが、騰落レシオは80%前後で3週以上も推移、新安値銘柄が連日100以上出るなど個別株は厳しい寒波に覆われている。信用買い残が依然3兆円近い高水準にあり、評価損の膨らみが懸念される。

日経平均にしても10月に200日線や52週線を割り込み、11月のリバウンドはその節を抜けず、チャートは日足、週足とも「陰転」状態が続いている。10月の下落を「一段下げ」として、この先「二段下げ」への警戒は怠れないだろう。

日経平均日足
日経平均日足

日経平均週足
日経平均週足

ただ、そういう危うい地合いではあるが、すぐ二段下げに突き進むとは限らない。目先のスピード調整は想定シナリオだし、23日がブラックフライデー(米年末商戦)で好調な売り上げが想定されるほか、月末のG20(米中首脳会談)、12月になればボーナスにソフトバンク上場とイベントが続く。12月上旬にかけて上昇するアノマリー(経験則)があり、ここからは金融業界が「株高」に尽力するところと言える。

冴えない地合いを背景にマーケットには慎重・弱気派が増えている。珍しく証券会社のリポートに「慎重」なものが散見されるようになったが、そのせいもあり空売りやショートを膨らませている。こうした状況で日経平均が上昇すると、買い戻し(ショートカバー)が原動力になる可能性もある。

チャートでは、二段下げの入口として10月安値20971円を注視せねばならないが、見方を変えればそこまでは調整もみ合いの許容範囲で、いま「押し目模索局面」とみることができる。週足の一目均衡表を見ると、遅行線が雲に差し掛かり下げ渋っている。株価が雲を割り込み危うい地合いではあるが、21000円水準までは遅行線の雲が“最後の砦”として抵抗見せることも想定される。

日経平均週足一目
日経平均週足一目

だからといって、強気方針ということではない。目先は12月上旬にかけてもう一度200日線や75日線を目指す可能性があるということ。師走となり株価が上昇すればまた強気観測も増えてこよう。注意するのはそれからではないだろうか。目先と中長期の動きをイメージしながら、あとはチャートの流れに従って対応することだ。

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