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日米とも抵抗線割れ、陰転暗示
8日のナスダックは7408-13ポイントと5日続落、週間ベースの連続上昇記録は10週でストップした。NYダウも25450-22ドルと5日続落、こちらは2週連続の下落だ。FRBのハト派転換や米中通商交渉の進展(合意)、中国(全人代)の景気刺激策、年後半の世界景気回復などを織り込むように年初から「イイとこ取り」で大きく上げてきた米国株だが、ともに日足は下値抵抗線や25日線を割り込み基調転換を暗示する。
8日は雇用統計(就業者数2万人)が予想を大きく下回ったことからNYダウは一時220ドル安、ナスダックは88ポイント安と大きく下げて始まった。だが、3.4%増(前年同月比)という強い平均時給を要因に引けにかけて下げ幅を縮めた。日足ボリンジャーバンドは「-1σ」を下値に切り返したことから、今週は反発してもおかしくない。ただし、年初から2ヶ月にわたり一本調子の上昇見せてきただけに、すぐ上昇基調に戻すのは難しいと思われる。
ナスダック日足
NYダウが上昇基調に戻るには2/25高値26241ドル突破が条件で、その前に割り込んだ25日線やボリ+1σ(25965ドル)を抜かなければならない。ナスダックであれば3/4高値7643ポイント突破が好転の条件で、その前に25日線やボリ+1σ(7546ポイント)を抜く必要がある。
NYダウ日足
日経平均は8日に430円安21025円と大きく下落し、25日線を割り込み、75日線に差し掛かった。こちらも陰転懸念を示唆したが、SQを通過し週末ということでヘッジの売りが集中した可能性もある。こうした動きは2月のSQ日(2/8)に418円下落した時と似ているが、米国市場でCME先物が20905円(大証比+135円)と切り返していることから、今週の日本株も2月(2/12)同様に大きく反発して始まると思われる。ただし、日経平均の日足が上昇基調に戻すには3/4高値21860円突破が条件だし、その前にボリ+1σ(21583円)を抜かなければならない。
日経平均日足
日米とも日足が陰転を暗示した以上、急反発したからといってすぐに安心はできない。チャートの好転を確認するまで個別株は様子見も一策だし、戻り切れずに軟化するなら慎重姿勢強めることも必要だ。「イイとこ取り」で多くの要因を織り込んできただけに、高値を抜くためのハードルは高く、「彼岸底」リスクが燻ぶることも否めない。
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