富田のトレチャ 2019年06月17日

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日本株に興味なしか

6月になり戻りに転じたマーケットだが、日本株は連日の薄商いで活気なく、戻りも鈍い。メジャーSQのあった14日ですら売買代金は2兆0018億円とようやく2兆円に乗せたところ。この超薄商いは異常であり、外国人投資家の「日本株離れ」を暗示しているようでもある。

5月の下げ幅に対し日経平均の戻り率は46%。NYダウの77%、ナスダックの70%に比べて大きく後れをとる。日本株が冴えない背景には為替(ドル円)の停滞がある。6月早々107.82円まで円高を進め、その後は108円台でもみ合い続く。日足チャートは下げ過程の中の踊り場であり、さらなる円高進行が否定できない。「円」の上値を押えている要因には、1.同時株安、地政学リスクに伴う「リスク回避」、2.投機筋ポジションの「円買い戻し」の二つがあろう。

ドル円日足
ドル円日足

米国株の戻りは堅調に映るが、世界のマネーが集中する「FANG+指数」を見ると6月の戻りは37%にとどまる。さらに厳しいのは中国・上海株で、4月から5月にかけ14%近く下落したが(3288→2822ポイント)、いまなお2900ポイント近辺でもたつきチャートは戻りに転じてもいない。

NYダウ日足
NYダウ日足

上海日足
上海日足

こうした状況ではマネーのリスク回避否めず、関心集まる今月28日の大阪G20サミットでの「米中首脳会談(予定)」まで日本株は動けないということか。勿論、日本株の上値を押える要因には10月からの消費税引き上げもある。また目先的には6月14日の「メジャーSQ」を控え3月のSQ値21348円を意識したこともある。その意味で、SQを通過して17日以降の相場が一つ焦点になる。

さてチャートだが、14日の日経平均は21116+84円引けで、日足は25日線(21029円)水準に戻したものの、一目均衡表遅行線の雲上(21348円)や5月20日高値21430円に届かず、75日線(21445円)や200日線(21696円)のまだ下方にある。「好転」には程遠く、チャートは「アヤ戻し」の過程で正念場が続く。今週は遅行線の雲上を抜いて75日線に挑戦できるのか、それとも遅行線の雲下21087円を割り込んで再び調整に向かうのか。FOMC、日銀政策決定会合など重要イベントもあり、日経平均の動き出す方向がポイントになろう。

日経平均日足
日経平均日足

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