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当然のスピード調整
日米とも株価は13日まで上昇止まらず、日経平均は9連騰(サイコロ10勝1敗)、NYダウは8連騰(サイコロ11勝1敗)を記録する。8月に描いたBOXを上抜き、売り方の買い戻しを誘いながら大きく続伸、日経平均は22019円まで上値を伸ばして4月の年初来高値22362円に、NYダウは27306ドルまで上げ7月の上場来高値27398ドルに迫ってきた。
日経平均日足
日経平均週足
NYダウ日足
サイコロや騰落レシオ、RCIなど日足テクニカルは過熱を漂わすが、世界最大の懸念要因「米中協議」が「歩み寄り」をにじませたことで、マーケットは「リスクオン」ムードを日増しに強め、為替は「ドル高円安」に傾き、長期金利も上昇に転じて「債券売り-株式買い」を鮮明にする。こうなると日経平均、NYダウとも高値更新が時間の問題という雰囲気である。
ところがご承知の通り、15日にイラン関係と言われる武装組織がドローンを使ってサウジアラビアの石油施設を攻撃し、16日の米国市場で原油価格(WTI)が62ドル台に急騰、NYダウは180ドルほど下落して始まった(ザラバ段階)。こうなると、テクニカルが過熱を帯びて高所に来ている日米株価だ。それなりの調整を閣議しなければならない。
WTI週足
2017年10月や昨年9月など、連騰やサイコロが過熱を記録した後の相場は注意必要だが、ただ今週は18日にFOMC、19日に日銀金融政策決定会合がある。中国は10月1日に建国70周年を迎え、米国トランプ大統領は来年の選挙をにらんでスタンスを「強硬」から「穏和」に変えようとする節が見られる。原油の中東依存は低下していることもあり、今回のイスラエル攻撃は地政学リスクではあるものの、マーケットの反応は一時的で終わる可能性もある。そうなると、日米株価の調整も一時的なスピード調整にとどまることも想定される。
スピード調整としては日経平均で「21500~21250円」、NYダウで「26750~26500ドル」など、抜いてきたチャートの節目が下値メドになる。高所だけに風も強く乱高下しやすくなるのは当然だが、その下値メドを維持しているうちは「買い方」に分がある。カネ余りでリスクオンに傾いたマーケットでもあり、もうしばらく(月内)は「押し目買い」で反応すると見ておきたい。
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