★富田隆弥氏の相場解説ブログや注目株や日経平均解説など充実コンテンツ満載のPDF版「月刊トレチャ」詳細・お申し込みについてはこちら↓
→富田隆弥のブログ
好転「日本株」、もみ合い「NY」
不思議だ。18日の米国市場でNYダウは26770-255ドル、ナスダックは8089-67と下落。為替(ドル円)は108円36銭と東京終値108円64銭に比べ円高に振れた。だが、日経平均先物は22500円と大証比で+40円で終えている。カギ握るNYダウや為替に振らされずにプラスで終えた日本株の理由がいま一つ分からない。
ボーイングが欠陥隠ぺい問題で、J&Jがベビーパウダー問題で大きく下げ、この2社だけでNYダウを277ドル押し下げた。よって、この日のNYダウの下落は特殊であってマーケット(日本株)全体への影響は限られるということか。それとも、日経平均には年金買いとか買い戻しなど何か下げない要因があるのだろうか。いずれにせよ週明けのマーケットがその答えを出してくれるだろう。
そういえば、日経平均が堅調な一方で、東証マザーズが冴えない。日経新聞には「中小型株ファンドから資金が流出している」との記事が載っていたが、たしかに半導体関連や海運株など主力株が人気付いており、小型株からの資金シフトは否めない。ただ、同じ小型株でもジャスダックは堅調だ。そうなると東証マザーズが冴えない理由はそれだけではない可能性もある。
東証マザーズには「先物」が上場している。先物市場で「日経平均買い-マザーズ売り」の裁定を仕掛ける筋がいてもおかしくない。ただ、マザーズの先物をみると820ポイント台で下値を固めており「そろそろ底打ち」という雰囲気もある。新聞で記事になるなど話題になったことで、東証マザーズを売っていた筋はそろそろ「手仕舞い(買い戻し)」に動くことも想定される。
マザーズ日足
一方、日経平均の上昇には枯れていた裁定残の買い(株達コード507)と売り残(株達コード506)の買い戻しが寄与していよう。日足の好転でその動きが活発になる。付け加えるなら「天皇即位」に伴うPKO(株価維持策)が働いている可能性もある。理由はともかく、日経平均(先物)のチャートには2つの二段上げが見られる。8月安値からと、昨年12安値からの2つだが、どちらもN波は23000円台になるのでもう少し上値余地ありそうだ。
日経平均先物日足
あとカギ握るのは米国株だ。NYダウとナスダックの日足は7月から引く上値抵抗線をまだ抜けずにいる。ボリンジャーバンドでは「+1」を抜けずに25日線近辺にとどまっていて「もみ合い圏」という見方ができる。下値をサポートする200日線と上値抵抗線を上下のポイントに意識した相場が続くことになる。米国では決算発表も終盤に差し掛かり、焦点は30日のFOMCになるが、チャートではもみ合い圏の中を乱高下することも想定され、その場合は日本株もお付き合い(もみ合い)するだろう。ボラティリティ高く、ヒヤリとした調整も起こり得るが、もみ合い圏を維持しているうちはすぐの陰転リスクは低く、押し目買い基調が続こう。
NYダウ日足
(PDF版「月刊トレチャ」富田氏の注目株解説などをさらに詳しくご覧いただけます! 詳細・お申し込みはコチラ )