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高値で迎える師走
裁定売り残(株達コード506)が9/12のピーク10億株から減少を10週続けていたが、11/21の3億5966万株で減少に歯止めがかかってきた。直近11/27現在、裁定売り残は3億6922億株で、裁定買い残の3億0945億株(株達コード507)に迫ってきた。これは、裁定売買に伴う先物の「買い戻し」がピークアウトし、日経平均を押し上げるエンジンが一つ消えつつあることを示唆する。12月相場を観るうえで、メジャーSQ(12/13)を前に先物の需給(買い優勢)が変化する可能性あることを承知しておきたい。
裁定売り残
日経平均はアノマリー通りに年末商戦のある11月最終週に上昇し、11/26に高値23608円まで伸ばした。米国市場の祭日(28日、感謝祭)を意識してその後は一服、29日は115円安23293円で終えた。日足チャートは11/8高値23591円とWトップを意識させるところだが、流れ(トレンド)は25日線や短期下値抵抗線の上にあり、まだ上昇基調を維持している。
日経平均日足
NYダウも27日に高値28174ドルを付け、半日商いの29日は28051-112ドルと一服入れた。日足チャートはボリ+1σ(28009ドル)や短期下値抵抗線の上にあり、こちらもまだ上昇基調に変わりない。
NYダウ日足
米国ではブラックフライデー(11/29)、サイバーマンデー(12/2)の好調(前年比4%程度)が予想されており、12月にNYダウが切り返すなら日経平均も同じように切り返して上値追いとなろう。
だが、年末商戦で踏み台となる「4%」をもし下回るようなニュースが出てくるなら話も変るので一応注意しておく。金融相場の再演で同時株高となり世界の余剰資金が株式市場に流れ込んでいるだけに、少しの懸念でも利益確定売りが出やすくなっている。また、日経平均は年末商戦で上昇するが、12月上旬に高値を付けるアノマリーもある。ボーナスシーズンとあって市場関係者が師走相場に楽観唱えて買い誘うほか、SQを前に先物の買いがピークを迎えやすいこともある。
こうした要因を踏まえて12月相場をみると、12月上旬に高値を付けるなら「利食い」も一策となろう。逆に、日経平均が調整で始まった場合は下値抵抗線の走る23000円までならスピード調整で切り返す可能性あるが、もしそこを割り込むような急落見せるなら意地張らずに「売却」や「戻り売り」を検討することになる。
12月のカレンダーは2日新甫だが、日経平均のRCIは日足、週足とも高値圏に来ているので、日足の下値抵抗線割れには注意しておきたい。
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