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楽観封印
米中の第一段階の合意・署名を経て快調に上値を追う米国株だが、ここにきて中国から思わぬ制裁が降ってきた。新型コロナウィルスだ。
同ウィルスの感染が米国で確認され、24日のNYダウは28989-170ドルと4日続落。ナスダックは24日も高値更新の9451ポイントで始まったが、引けは9314-87ポイントと下落し、日足は陰線で「つつみ足」に。
世界のマネーが過熱を無視して楽観に傾き米国株に流れ込み、需給相場として上昇トレンドを形成し、NYダウ、ナスダックともまだ25日線の上にある。新型ウィルスに関して市場関係者からは「SARSの時と違い中国当局は迅速に対応しており、過剰な心配は不要」という声も多く聞かれる。
だが、楽観できまい。いまマーケットで売買指令をだすのはいま「AI」だ。週足のRCIは過熱を強めた状態で、思わぬウィルスの襲来だ。24日の下落は「AI」が売り指示を出してきたと思われる。感染拡大、死者何名という報道の文言が続くなら「AI」が売り指示を強めかねない。春節で人民によるウィルス拡散が始まったが、場合によっては地合いが一変しかねない。
世界のマネーがひときわ集中するIT主力「FANG」の推移が注視されるが、同様に上昇を加速させているナスダックの動向も要注意だろう。ナスダックのチャートを見ると、日足は10/3安値から1000ポイントの二段上げを達成した。週足は10月安値から1751ポイントの上昇で、これは18年12月安値から4月高値までの上げ幅1986ポイントに迫る。つまり、チャート的には達成感からいつ調整に転じてもおかしくなく、25日線割れは調整入りの合図となろう。
ナスダック週足
ナスダック日足
過剰流動性(カネ余り)の環境は変わらず、1月~2月は調整含みというアノマリーもある。理由はともあれ2月(3月)に調整深めるならまた買い場も訪れよう。だが、いまは目先の調整を確認しなければならない。日経平均やTOPIXの日足は「Wトップ」懸念を漂わし、日本株は「米国株次第」。「山高ければ谷深し」でもあり、これまでの楽観は一旦封印すべきと思われる。
日経日足
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