富田のトレチャ 2020年03月02日

★富田隆弥氏の相場解説ブログや注目株や日経平均解説など充実コンテンツ満載のPDF版「月刊トレチャ」詳細・お申し込みについてはこちら↓
→富田隆弥のブログ blank

3月も乱高下

先週(2月最終週)の株式市場は歴史的暴落になった。新型肺炎の感染が世界に広まり、サプライチェーンが寸断、経済への影響を米国も懸念し始めたが、それにしても先週一気の暴落には驚かされた。NYダウは7日続落となったが、世界マーケットの要であることを改めて知らしめ、そして「山高ければ谷深し」のごとく過熱を無視して過剰流動性の「マネーゲーム」を長く続けた反動は小さくなかった。また、いまマーケットでは「AI」に売買指令を任せているところが少なくなく、一方向に振れやすくなっていることも確認した。

週間でNYダウが3583ドル(下落率12.35%)、ナスダックが1009ポイント(同10.5%)、DAXは1689ポイント(同12.4%)、そして日経平均は2243円(同9.6%)と厳しく下げ、日足チャートは軒並み平均線を割り込み「陰転」を確定させた。

週足チャートもNYダウ、日経平均、DAXが52週線を割り込み「陰転」を暗示、ナスダックがかろうじて52週線(8300)に差し掛かり、終値でキープした。ナスダックは日足の一目均衡表で遅行線が雲(8702~8266)に差し掛かり、下値の最後の砦で唯一下げ止まっている。また、週足ベースの一目ではNYダウ、日経平均、DAXいずれも雲に差し掛かったところだ。

NYダウ週足
NYダウ週足

ナスダック日足
ナスダック日足

日経平均週足
日経平均週足

28日のNYダウは長い下ヒゲ伸ばす「タクリ足」で、ナスダックは長い陽線で「出会い線」になっており、今週は下げ止まって反発できるかの「正念場」になろう。反発となれば三分の一から半値戻しを目指してもおかしくなく、チャートでは割り込んだ200日線や52週線、一目の雲などを目指すことになる。

ただし、歴史的暴落を見せたことで需給関係は大きく悪化し、金融市場では隠れていた懸念要因(過剰債務など)が表舞台に登場することも想定される。目先、リバウンド見せても崩れたチャートは「戻り売り」が基本。3月相場もしばらく乱高下、下値模索が続く可能性もイメージしておきたい。

→富田のトレチャ:目次へ

(PDF版「月刊トレチャ」富田氏の注目株解説などをさらに詳しくご覧いただけます!  詳細・お申し込みはコチラ