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彼岸底模索も底打ちは未定
コロナショックが治まらない。新型コロナウイルスの感染が収束どころか欧米など世界に拡大、サプライチェーンは滞り、中国人、韓国人、日本人を出入国規制に踏み切る国が増えるなど、経験したことのない事態に陥っている。経済への打撃は計り知れず、マーケットが「リスクオフ」姿勢を強めるのも至極当然と言わざるを得ない。
世界の屋台骨である米国では、3日にFRBが0.5%の緊急利下げに動いたが、パウエル議長が「利下げでコロナウイルス感染が防げるわけではない」と語ったようにマーケットは混乱収まらず、10年債利回りは6日に0.76%と過去最低水準を大きく切り下げ、為替(ドル円)は一時104.99円をつけるなど「リスク回避」を鮮明にしている。
米10年債利回り
NYダウは日々1000ドル前後の乱高下が続く。3/2には1173ドル高と過去最大の上げ幅を記録し、3/4は1173ドル高と過去二番目の上げ幅で27012ドルまで戻したが、日足チャートは節目の200日線や半値戻し(27125ドル)の手前で頭打ち、アヤ戻し(プルバック)を経て再び6日に25226ドル安値を付けるなど右カタ下がりの流れが続く。
NYダウ日足
ただ、6日の終値は25764-256ドルで日足は陽線となり、週間でも455ドルのプラスに。ナスダックをみると、6日は一時8375-363ポイントまで下げるが、大引けは8575-162ポイントと200日線8416ポイントや52週線8322ポイントを意識して切り返し、陽線で終えている。こうなると今週も先週と同じように反発で始まる可能性はある。NY、ナスダックとも節目の200日線を突破できか注目される。
ナスダック週足
日経平均は21000円台で少しもみ合ったが、6日は20613円と安値を切り下げ再び下落に走り出した。6日の夜間先物は20210円まで安値を切り下げ、390円安20320円で終えている。先物の月足をみるとアベノミクスで下値を支えてきた60ヶ月線にタッチし、下値の大きな正念場を迎えている。
日経平均先物月足
先物の日中足をみると安値20210円を2度(23時50分と5時05分)付けており、今週は二点底から切り返す可能性もある。だが、NYダウ同様に割り込んだ200日線や52週線の22100円台を突破しなければ好転の兆しも出てこない。
「彼岸底」をそろそろ模索することも想定されるが、未曽有の過剰流動性(マネーバブル)相場に亀裂を入れ、どのような調整になるかは未知の世界でもある。乱高下の展開が続くことから目先は急反発もあり得るが、底打ちの確認はチャートに聞くしかない。目先の短期売買と中長期の基本観をシッカリ分けて対応することが求められよう。
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