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流れに従う需給相場
トランプ劇場が再開している。中国が「香港国家安全法」を採択したことで、中国への強硬姿勢を臭わせていたトランプ大統領。だが、29日に発表した内容は香港の優遇措置廃止にとどまり、中国との通商には触れなかった。強硬姿勢に懸念を抱いて一時368ドル安と下げていた29日のNYダウだが、終わってみれば25383-17ドルと小幅安で終え、ナスダックは一時44ポイント安から切り返して9489+120ポイントと大きく上昇し、日経平均先物も150円安から切り返して190円高22000円で終えた。
NYダウ週足
株価が高値圏にくると対中強硬姿勢を見せて売りを誘い、そして事なき結果で買い戻しを誘ってまた上昇させるという昨年までよく見られたトランプパターンがまた始まった。今秋の大統領選挙をにらみ、トランプ大統領のツイートが再び活発化することが予想され、それに伴いマーケットも翻弄されそうだ。
新型コロナウイルスで経済は大打撃を受けた。米国4月の個人消費は-13.6%(前月比)と1959年の統計以来最大の下げ幅になった。南米やロシアなど世界ではまだコロナの勢いが増している。米国でも感染者が増加している州が15もあるのに経済活動再開に踏み切り、二次感染のリスクは否めない。大量の失業者は「一時的解雇ですぐに復職する」とか「この4-6月が大底」という経済シナリオに狂いが生じる可能性は小さくない。
ただ、それでも株式市場は堅調で、言うまでもなく巨額の財政出動と金融当局の無制限緩和によるものだ。昨年までの株高も膨大な過剰流動性が背景にあり、今年の相場は「メガ過剰流動性」を背景にした「メガ金融相場」と呼べそうだ。
相場最大の材料は「需給」であるから、このメガ級の金融相場も終着点をみるまでは「流れに従う」のが基本。買い方に分のある相場ということだが、外国人投資家(現物+先物)が5月第3週に15週ぶりに買い越し、そして最高水準に膨れていた裁定売り残(株達コード506)の買い戻しが始まったようだ。
裁定売り残
ジリ高基調から上放れて200日線や26週線、52週線の節を一気に突破した日経平均(29日21877円)。次は年初来高値(1/17高値24115円)を目指すように23000円台に突き進むことが想定される。同様にNYダウ(29日25383ドル)も26000ドル台にある200日線と52週線の突破を目指してもおかしくない。
日経平均週足
勿論、日経平均もNYダウもテクニカルは過熱帯びており、スピード調整を挟みながらの上値追いを想定しておく。目先的にはサイコロが9勝になる(可能性のある)6月早々と、彼岸底から13週目でメジャーSQ(12日)のある第2週が高値ポイントになりやすいが、25日線や一目の基準線を維持しているうちは「押し目買い」「吹き値売り」の対応が続こう。
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