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6月SQで反転の可能性あり
順調に上昇していた株式市場だが、高所に来て風雨が強まってきた。
米国は5月雇用統計の大幅改善を受けてNYダウが6/5に一時1056ドル上げ、週明け6/8に高値を27580ドルまで伸ばした。ナスダックは6/10に終値で10020ポイントと初の1万大台に乗せた。だが、10日のFOMCを終えると11日にNYダウは一時1907ドル安25082ドルと突っ込み25128ドルで終え、ナスダックも11日に9492-527ポイントと急落した。
FOMCでゼロ金利政策を2022年まで続けることを決めたが、マーケットは「景気回復が遅れる」と解釈したほか、またフロリダ州やテキサス州でコロナウイルス感染者が最多となり「二次感染リスク」の台頭を警戒したようだ。ただ、株価急落の主因はV字回復で高値警戒感が出ていたことで「利益確定売り」が出たと言える。
前回で触れたように、テクニカル指標の過熱をよそに「イイとこ取り」で株式市場は買い戻しを誘いながら上昇を続けてきたが、6/19のSQ(トリプルウィッチング)を前にナスダックが「1万」大台に乗せたこともあり、達成感を募らせて利益確定売りが出やすかったとみている。
NYダウは25日線と下値抵抗線のある節まで調整入れ、ナスダックも25日線に到達したこともあり週末12日は反発したが、上値が抑えられるなど力強さは感じられない。カネ余りの地合いでもあり目先的には再び上昇してもおかしくないが、ただRCIなどのテクニカルは調整に転じたばかりで、19日のSQ前後まで先物の需給に絡んで相場は振れやすく、下値模索が続く可能性もある。
3月のSQで「彼岸底」を打ったが、こんどは6月SQで高値形成となってもおかしくない。
NYダウ日足
ナスダック日足
コロナ後の社会をリードすると思われる米国の大手IT株に世界のマネーが集中しているが、ナスダックは10日に「宵の明星」を描いた。テクニカル指標の過熱(人気の片寄リ)や行き過ぎたマネーゲームなどの警戒をよそに、高値を再び奪回しに行くのか注目される。もし、宵の明星の高値がいつまでも君臨しているようだと流れの変調を認識することになる。
日経平均は6/9に高値23185円を付けるが、11日に652円安、そして12日に一時685円安(21786円)まで下げ、167円安22305円で終えた。200日線や25日線に迫るプルバック(初押し)で「健全なスピード調整」と見ることできるが、ただ12日のSQを境に需給の流れが変わる可能性には注意必要だ。日本株は米国次第でもあり、NYダウ、ナスダックの動向からも目が離せない。
日経先物日足
高所でもありしばらく乱高下するだろうが、チャート的には日経平均、NYダウとも下値抵抗線と重なる「25日線」を注視しておく。25日線を維持しているなら高値圏での往来が想定されるが、25日線を割り込むなら「要注意」として慎重に対応すべきだろう。
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