富田のトレチャ 2020年11月09日

★富田隆弥氏の相場解説ブログや注目株や日経平均解説など充実コンテンツ満載のPDF版「月刊トレチャ」詳細・お申し込みについてはこちら↓
→富田隆弥のブログ blank

急反発も、スピード調整不可避

マスコミがバイデン勝利を報じ、各国は祝辞を伝えた。それでもトランプ大統領は敗北認めず法廷闘争を臭わす。11月になり株式市場は猛烈な同時株高になったが、政治の混迷を払しょくしたと言えるかはまだ疑問だろう。

6日の日経平均は24325円引けと4日続伸、終値ベースで29年ぶりの高値に躍り出た。ザラバでは2018年10月の24448円高値を残すが、それを更新するのも時間の問題だろう。ただ、6日までの急騰は出来すぎで、一本調子でさらに上昇するのは難しいのではないか。
10/30まで5日続落で22948円に下落した日経平均。日足は75日線や13週線を割り込み「陰転、下放れ」を暗示したが、11月になると6日まで4連騰、4日間で1350円幅(5.86%)の急騰を演じて一転「上放れ、好転」を示唆した。

日経平均日足
日経平均日足

30日にサイコロが3勝9敗25%になったことや、最近見られる月末急落パターンが当てはまったこと、そして10/30まで5日続落の反動が出たとはいえ、6日までの急騰には政治リスクに備えて先物に入っていたショート(売り)が大統領選を終えて買い戻し(ショートカバー)に動いたことがある。

NYダウも10/30に26143ドルまで下落したが、日足の一目遅行線が雲下限に差し掛かり、週足も26週線と52週線にタッチした。そこから11月になると5日高値28495ドルまで4日間で2352ドル(8.99%)も上げた。この急騰にも先物のショートカバーが要因と言える。
買い戻しが一巡すると、マーケットは改めて冷静になる。大統領選を終えて、政治リスクが本当に払しょくしたのか、新型コロナの感染拡大による経済への影響は大丈夫なのか、巨額の財政政策や為替や金利への影響は、対中政策に変化はあるのか、など多くの問題を改めて吟味することになる。

NYダウ週足
NYダウ週足

NYダウは29000ドル台の節目にこれから入る。日経平均は25000円台を目指す可能性あるものの、103円台に入った円高をいつまで無視できるだろうか。そして、日本株のカギ握るのはNYダウだ。目先はスピード調整を想定して「押し目買い、吹き値売り」のスタンスが望まれる。

→富田のトレチャ:目次へ

(PDF版「月刊トレチャ」富田氏の注目株解説などをさらに詳しくご覧いただけます!  詳細・お申し込みはコチラ