富田のトレチャ 2021年12月20日

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FOMC後も冴えない

注目された15日のFOMCで、パウエルFRB議長は量的緩和を来年3月に終了させ、2022年に3回の利上げに動く可能性を示唆した。このタカ派姿勢に株式市場は大きく上昇した。市場関係者は「想定内の結果で安心感を誘った」という。だが、金利が上昇に向かうことを株式市場がポジティブに受け止めるのは解せない。

NYダウは15日にマイナス154ドルからプラス399ドルと切り返し、16日は高値36189ドルを付けた。だが、その後は軟調に転じて17日は35365-532ドルと下落し、FOMC前の水準にイッテコイ。

NYダウ日足
NYダウ日足

日経平均は米国株の上昇を映して16日に29066+606円と急伸、高値を29070円に伸ばしたが、翌17日は28545-520円と急落してこちらもイッテコイ。チャートは日足、週足とも平均線の重なる29000円処の節を抜けずに頭を叩かれた。

今年の日経平均を振り返ると、FOMCのあとは総じて冴えない。前回11月3日のFOMC開催あと日経平均株価は4日に273円上げたが、5日から4日続落。その前の9月22日開催のときは24日に609円上げたが、27日から9日続落。6月16日開催のあとは3日続落となり3日間で日経平均は1279円も下げ、3月17日開催のときは18日に302円上げたが19日から4日続落となり1809円も下げている。

日経平均日足
日経平均日足

こうした動きは、FOMC直後は買い戻しで上昇するものの、買い戻しが一巡すると改めて売りが出てくるといえる。とくに3月、6月、9月とメジャーSQ(先物・オプションの清算)のある月にその傾向が強くみられる。

オミクロン型は重症化リスクが低いとイイとこ取り続けるマーケット。だが、2018年12月に急落したことや(先週既報)、商品CRBがすでに陰転、そしてFOMC後のアノマリーなどを考慮するとこの12月もここから年末(年内最終商い12/28)まで気が抜けないだろう。

CRB日足
CRB日足

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