★富田隆弥氏の相場解説ブログや注目株や日経平均解説など充実コンテンツ満載のPDF版「月刊トレチャ」詳細・お申し込みについてはこちら↓
→富田隆弥のブログ
戻り正念場、要慎重
4日発表の米雇用統計には驚いた。1月の雇用者数は46.7万人増と市場予想(15万人増)を大きく上回ったほか、前回の12月分の19.9万人増を50万人増に大幅に上方修正した。年末年始で多忙のタイミングとはいえ、12月分の確定値でこれほど大きく修正するほど米国の雇用情勢は混乱を来しているということか。賃金(時給)は前月比で+0.7%増、前年比で5.7%増といずれも前月を上回った。
そして、原油(WTI)が6日続伸で92ドル台、商品CRB指数も6日続伸で261ポイント台と、どちらも7年半ぶりの水準だ。インフレ懸念は強まり長期金利(10年債利回り)は2年ぶりに1.93%を付ける。FRBの利上げと保有資産縮小(QT)が3月から急ピッチで実施される可能性が高まってきた。
WTI月足
ナスダックは好決算を発表したアマゾン.コムが△13.5%上昇してナスダック(14098+219ポイント)をけん引したが、NYダウは35089-21ドルと小幅続落、明暗を分けた。ただし、週足チャートを見るとNYダウは13週線(35463ドル)、26週線(35333ドル)に差し掛かり、ナスダックは52週線(14497)に差し掛かって伸び悩むなど、どちらも1月に急落したあとのリバウンドは正念場を迎えている。
ナスダック週足
NYダウ週足
先週の日経平均(27439円引け)は5週ぶりに上昇(722円上昇)した。1/27の急落を目先セイリングクライマックスとして、安値26044円から2/2に27564円まで切り返した。だが、日足チャートは25日線が27800円台に降りてくるほか、三角保ち合い下限線(ネックライン)が28000円処に控えており、今週はリバウンド(アヤ戻り)の正念場を迎える。
日経平均日足
「もうはまだなり」と言わんばかりに感染拡大続くオミクロン株。ワクチン担当大臣を廃止した(いまの大臣はいないに等しい)岸田内閣の支持率が低下するのもやむを得ない。そこに原油上昇、商品市場高騰が追い打ちをかける。3週連続で1兆4000億円売り越す外国人投資家(現物+先物)が、このような状況下の日本株を好んで買いに来るとは思えない。
日本だけでなく米国株も戻り正念場を迎える今週。日本はミニSQと三連休を控える。頭を叩かれて反落すると「二段下げリスク」が台頭しかねず、今週は戻り売りに動くなど慎重姿勢が望まれる。
(PDF版「月刊トレチャ」富田氏の注目株解説などをさらに詳しくご覧いただけます! 詳細・お申し込みはコチラ )